競馬も少しずつ秋の舞台に立つ準備に入っています。クイーンS、札幌記念は、確実に秋のタイトル戦につながっていき、待ち受ける強豪たちとぶつかる日に備えています。
ファインモーションが勝利のゴールをしたとき、武豊騎手は左手のこぶしを握ってガッツポーズを取っていました。牝馬のG1は2勝していても、牡馬相手の重賞は初めて。早くからこの上を目指す足がかりをつかもうと走ってきただけに、札幌記念の勝利は陣営に大きな期待を抱かせる結果になりました。
折り合いをつけるのに苦労していた彼女を、最後方からゆったりと走らせ、持てる能力を直線でスパークさせた騎乗ぶりは、流石(さすが)でした。さて、次にこの手が通用するのか、見る側には楽しみを与えてくれました。
クイーンS組が目指すエリザベス女王杯と両にらみで、ファインモーションが秋どこを走るのか、再び注目されるところとなりました。この先、毎日王冠から天皇賞という路線は多くの有力馬が狙ってきます。牝馬でここに参戦する馬は例年、そう見られるものではありません。
札幌記念2着のバランスオブゲームもこの路線のようで、ここには、春のクラシックを戦ってきたキングカメハメハ、ダイワメジャーも加わるようです。これら3歳馬たちの中で、秋の主戦場を天皇賞と定める馬は、毎年必ずいます。スピード重視の傾向の中、今年もこの路線は厳しい状況です。
そして一方で、3冠最終戦の菊花賞の行方が気になります。去年も3歳馬の中でどの路線にするか決めかねた陣営があったようでした。どちらを選択するか、今年も両方を見据えているものもいます。ずっとその先には、春の天皇賞が見える菊花賞戦線と、秋の天皇賞からジャパンC、有馬記念という秋のチャンピオンロードと、長いスパンで競馬を考えるこの時、どの馬に狙いを定めて応援していくか、そろそろ決めなければなりません。