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豪華メンバー大阪杯、最終的に鍵を握るのはヌーヴォレコルト!?

  • 2016年04月01日(金) 18時01分


◆展開が大きく作用するレース

 下手するとGIより豪華メンバーが揃った大阪杯。11頭立てでありながら、かなり難解だ。最終的には展開が大きく作用するようにも思える。

 逃げることになるのはキタサンブラックだろうか。この馬で武豊騎手ということになると、ペースは速くならないはず。ある程度位置を取れるか、速い上がりを使える馬でないと苦しくなりそうだ。

 タイプ的に良さそうなのはラブリーデイ。かつては上がり勝負を苦手としていたが、京都大賞典→天皇賞秋でイメージチェンジした感がある。しかも今回は、どちらかというと道中出していくタイプのデムーロ騎手がテン乗り。宝塚記念のような競馬になれば、馬券圏内に残れるのではないだろうか。

 反対に、岩田騎手に戻ったヌーヴォレコルトは、溜める競馬を志向すると裏目になると見る。鞍上がエリザベス女王杯の結果をどう捉えているかが問題で、「もっと溜めてもっとはじけさせる」という方向に行くとリスクばかりが高まる。直線の突きどころは別として、昨年の中山記念のような競馬のほうが結果には繋がりやすい。

 アンビシャスも乗り替わりがポイントになりそうな馬。ただ、こちらは競馬の形ができてしまっているので、結果はどうあれ腹をくくって実行するしかない。頭数が少ないぶん前との間隔が短ければ届くかもしれないし、逆に流れ次第で毎日王冠のように、全くチャンスのない競馬になってしまう可能性もある。実力は十分にあって脚質にリスクがあるという、ファンにとってはなんとも扱いづらい馬だ。

 脚質的には似たところがあるが、もう少し融通がきくかなと思えるのがショウナンパンドラ。上がりそのものは速いところをマークするが純然たるダッシュ型というわけではなく、4ハロンくらい脚を使って大丈夫なタイプ。最後甘くなってアンビシャスに差されるようなケースを恐れず、ラブリーデイに届くことを目安に仕掛けていくとちょうどよいと思われる。

 タッチングスピーチも位置取りと仕掛けのタイミングが鍵。イスラボニータも昨秋からはすっかり差し志向。それだけに位置のアドバンテージが見込めるキタサンブラックやラブリーデイは有利な面がある。最終的に鍵を握るのはヌーヴォレコルトで、この馬が出していくのか、がっちり抑えていくのかどうかによって結果は全く変わってくる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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