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桜花賞1番人気確実のメジャーエンブレムに問題点があるとすれば…?

  • 2016年04月08日(金) 18時00分


◆シンハライトよりジュエラーのほうを優先してヒモに取る手も

 メジャーエンブレムが一本かぶりになりそうな桜花賞。しかも同馬がクイーンCからというローテを選択したことで、予想が難解になった。同馬がチューリップ賞に出ていれば話は単純になっただろうし、チューリップ賞で阪神JF組が好走していたら比較も容易だった。しかし現状は、「見た目に強そうだが、新興勢力と比較する物差しが不足」という状況になっている。

 そのメジャーエンブレムだが、クイーンCで時計の裏付けも得られたし、不安材料があるわけではない。関西への輸送を避けたローテも、合理性はあるだろう。

 問題があるとすれば2つ。ひとつは、阪神JFとクイーンC組が揃って弱かったらどうするのかという問題。こちらは着差と、クイーンCの時計である程度否定することはできる。

 もうひとつはラップ。自身で逃げるときに強気のラップを踏めるかどうか。逆に、他馬が行くとした場合、その馬が変にペースを落として上がり勝負になりはしないか。今回他の逃げ候補は、ノーザンファームに喧嘩を売る理由がない馬ばかり。よかれと思って落としたラップが、実はメジャーエンブレムよりシンハライトに有利になるという可能性もある。ダイワメジャー産駒らしいタイプのメジャーエンブレムだけに、中緩みから上がりが速くなる形は歓迎ではない。

 メジャーエンブレムを負かすとしたら、やはりチューリップ賞組だろう。当時の上位馬はいずれもキャリアが浅いぶん未知の部分が大きく、かつメジャーエンブレムとは未対戦だ。

 シンハライトジュエラーは前走の上がりが一緒、かつ着差も小さかったが、互いに少しずつタイプが違うのではないかと思う。

 シンハライトは単純な上がり勝負歓迎で、スロー→馬群凝縮を望みたいところ。ジュエラーも前走の走りを見ると速い上がりは出せそうなのだが、ヴィクトワールピサ産駒だけに、持続力を問われても対応できるのではないかと考える。母系も本来キレるほうではない。

 そう考えると、メジャーエンブレムで絶対と考えている人は、ジュエラーのほうを優先してヒモに取る手もある。このあたりは、展開をどう読むかにもよるだろう。

 チューリップ賞組は負け組が良い馬券になることも多い。今年は人気馬が1,2着だったたけに人気の盲点のようなものは生まれにくいだろうが、3着だったラベンダーヴァレイ、メジャーエンブレムに先着経験のあるデンコウアンジュ、当時3番人気だったレッドアヴァンセあたりにはシルシを回すことを検討したい。

 フィリーズレビュー組は伝統的に本番でいまひとつだが、1頭ピックアップするなら2着だったアットザシーサイド。マイル戦に戻って上積みがあるだろうが、阪神JFを走ってしまっている馬なので、過度の幻想は抱きづらい。

 アネモネS組は阪神施行時代と違って最近はほとんど馬券に絡んでいないし、今回シルシの対象にするとしたら以上の馬くらいが候補かと思う。あとはどうひねるか、どう絞るかだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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