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フローラS、有力馬の分析と展開次第の複穴候補

  • 2016年04月22日(金) 18時00分


◆チェッキーノのリスク要因

 前走オープン掲示板組が4頭というのは例年の相場通り。ただ1勝馬の抽選は例年よりやや厳しかった。抽選に通った組ともともと権利を持っていた組を比較すると、やや後者優勢の印象。ただ、決定的な差まではない。

 人気はチェッキーノだろうか。戦績的には文句なしだが、このコースで大外を引いてしまった。また、マイルから400mの延長というのもリスク要因ではある。地力があるだけに消すとは言えないが、アタマ付けの馬券を買わないという選択肢もある。

 パールコードも戦績に疵が少ないし、ヴィクトワールピサ産駒なので伸びシロを残しているのではという期待感はある。ただ兄姉はいずれも最初良くて後から伸びなかったタイプばかり。両者のバランスを考えつつ、あとはオッズと相談で良いように思う。

 ビッシュは2戦2勝だし、500万条件組で前走1800mというのはこのレースと相性の良いパターン。ただディープインパクト産駒にしては切れないほうだし、枠を生かして積極的な位置取りをしていきたいところだ。また、この馬は馬体の維持もテーマなので、当日の馬体重や気配には注意したい。

 クィーンズベストはチューリップ賞で掲示板に来るレベルの馬。距離にもメドは立っているし、先行力があるのもこのレースでは良い材料。ただ外枠を引いてしまったので、きっちり位置を主張していけるかどうか。枠なりに最初のコーナーを回ると想定外の位置取りになってしまう可能性もある。

 ゲッカコウは中山中心に使われてきたが、東京でも3着がある。陣営が前走を「溜めてよかった」と解釈しているか「逃げ残られた」と考えているかで今回のシナリオが変わりそう。枠を考えると後者の解釈から積極的な競馬をしてくれたほうがよいと思う。

 フロンテアクイーンは実績としては十分。ただここまでは差し馬向きの展開に恵まれてきた感もある。いったん馬群が凝縮してからの上がり勝負だと、惜敗につながりそう。この馬を買う場合は他の差し馬や、持続力タイプの先行馬と組み合わせたい。

 クロコスミアは年明けの成長がいまひとつだし、距離の限界もありそう。父はもちろん長距離向きだが、母系のサポートがなさすぎる。この馬が馬券に絡むとしたら、1,2着がオープン好走組でこの馬が3着という形と見る。

 アグレアーブルはここが試金石となる一戦。前走は逃げるか差すかのどちらかが有利だった競馬で、この馬の位置は中途半端だった。新馬で圧倒的人気になった素質馬だし、休養が良いリセットになっているとしたら怖い存在だ。

 複穴候補でエマノン。切れる脚は無い差し馬なので、展開待ちではある。ただ、高速馬場の中京最終週で額面としては速い時計を出したように、東京も高速馬場→前半ペースが流れる、という形だと上位進出が可能だ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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