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「油断大敵」のヴィクトリアM、穴で考えたい2頭

  • 2016年05月13日(金) 18時00分


◆ルージュバックは外差しがきく馬場に戻っていれば

 GI実績に勝る馬たちが人気を集めそうな今年のヴィクトリアマイル。しかし荒れるときはけっこう荒れるレースだけに、油断は大敵だ。

 ショウナンパンドラはここ5走連続で牡馬相手に好走しており、残してきた結果ということではメンバー中随一。問題は距離と位置取りだ。ウオッカやブエナビスタのように距離と関係なくクリアするケースもあるが、この馬にとってのマイルはさすがに短い可能性もある。また、このレースは淡白な前残りも多く、道中の位置取りも課題となる。

 似たようなことはミッキークイーンにも言える。マイル戦を使ってそれなりに好走してきたのはプラスだが、位置はおそらく取れないだろう。また、もともと勝ったオープン3戦がタイム差なしか0.1秒差、2着だった3戦がタイム差なしか0.2秒差という馬。展開や馬群の加減ひとつで3着、4着止まりということもありうる。

 スマートレイアーは逃げてくれるなら重視したいが、そこは騎手の腹づもりひとつ。過去2回大敗しているのだから、新しい競馬を試すしかないと思うが……。枠も枠だし、差し構えはないと考えれば、ある程度の評価は必要だ。

 ルージュバックは前走時傷めた蹄の具合が少々心配。それでもブレーキを踏まずに長い距離を伸びるような競馬は得意なはずで、外差しがきく馬場に戻っていればチャンスはあるはず。軸にはしづらいがヒモには入れておきたい。

 マジックタイムはまだGIレベルでの実績はないが、決め手はある馬。ボウマンは外は回らず一か八かさばいてくるはず。先週と同様の馬場ならそれでいいし、結果としてさばけるかどうかは運次第。軸にはしづらいが切るのも怖い。

 ストレイトガールは前走の内容が案外。年齢的にもピークは過ぎているように思える。ただ2回好走しているレースだし、他の産駒も含めてフジキセキ産駒は相性の良いレース。そこに一縷の望みがある。

 レッツゴードンキはどの位置で競馬をするつもりなのか、興味深い。もともと強いペースで逃げるタイプではないだけに、躊躇するようならスマートレイアーその他が行ってしまう。といって溜めて結果が出そうな雰囲気もない。そう考えるとこの馬にとっては選択肢が見つからないレースでもある。

 穴で気になるのはウインプリメーラカフェブリリアント。前者は位置取りと枠順、後者は昨年の内容を考えると、3着にきてもおかしくはない。先週までの馬場傾向が残っているとしたら、特に面白いのはウインプリメーラのほうかと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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