◆ノーザンファーム以外の牧場に目を向けると…
血統は牧場で育まれるもの。「種牡馬は牧場と組み合わせると馬券の傾向が明確になる」ことは、常々書いています。今年は、ホームページで公開している予想では、ノーザンファーム生産馬を本命にした場合の単勝回収率は200%越え(先週もプレスアテンションが順当に勝ってくれれば、300%越えだったのですけれど)血統と牧場の関係をデータベース化した成果は出ている、と信じたいものですが、ただ単にノーザン生産馬の好走パターンを見極めれば儲かるだけの話かもしれません。
さて、オークスもディープインパクトが抜群に走るレース。2012年以降は産駒が毎年連対。複数の産駒が出走した年は、馬券圏内にも複数のディープ産駒が占めます。
そしてディープ産駒で走るのはノーザンファーム生産馬がほとんど。馬券になった7頭のうち6頭がノーザンファーム生産馬でした(残る1頭は社台生産馬)。
今年はオークスに登録したディープインパクト産駒はすべてノーザンの生産馬。1〜3人気もすべてノーザンファーム生産馬になることが濃厚。
ノーザン以外の牧場に目を向けると…結局、同門の社台ファームになるんですよね。2014年はヌーヴォレコルトが断然人気のノーザンのハープスターを退けての優勝。2011年は同生産馬のエリンコートが優勝しました。
社台ファームの傾向で特筆すべきは、ノーザンがエースに据えるディープ、キンカメ産駒でオークスは優勝していないこと。
過去5年で優勝した社台生産馬2頭はいずれもディープの人気馬を退けてのもの。オークスで穴を狙うなら、むしろ非ディープ、キンカメの社台ファーム生産馬ではないでしょうか。
ハープスターを負かしたヌーヴォレコルトも社台ファーム生産馬。父はハーツクライ。欧州型ナスルーラ系のトニービン持ちの馬。母方にも欧州型ナスルーラ系リヴァーマンの血。
単勝37倍で優勝したエリンコートの母系にも欧州型ナスルーラ系のリヴァーマン。父はデュランダル。いずれも非ディープ、キンカメ産駒で欧州型ナスルーラの血を持つ馬。リヴァーマン(ネヴァーベンド)の系統、グレイソヴリンの系統は古くからオークスに相性の良い血です。
このアプローチから浮上するのはキンショーユキヒメとダイワドレッサー。
キンショーユキヒメは父がメイショウサムソン。母系に欧州型ナスルーラのグレイソヴリンを持つ血統馬。
ダイワドレッサーは母母父トニービン。父は社台が思い入れの強いネオユニヴァース(残念ながらリタイヤしたジュエラーも社台生産のネオユニヴァース系)。
どちらも消耗戦なら軽快なディープ、キンカメに勝る血統のポテンシャルは秘めているはずです。
他の媒体のオークス関連のコラムでノーザンファームのことばかり散々書かせてもらったので、気分転換に社台の注目馬を書いてみました。
今や「サンデーの運動会」とは誰も言わなくなり、サンデーの血を分類する時代になりました。社台グループの運動会も、今や部署(系統)を分類する時代なんでしょう。