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オークスでは桜花賞組以外をどこまで重視する?

  • 2016年05月20日(金) 18時00分


◆桜花賞出走組が少ないオークス

 今年のオークスには、桜花賞に出走していた馬が6頭しかおらず、これは過去と比較してかなり少ないほう。しかも桜花賞の1,4,6着馬は不在。そうなると別路線組にチャンスがありそうに見えるが、オークスはやはり桜花賞組が基本。別路線組はヒモとしてどこまで重視するかという話だろう。

 シンハライトは、桜花賞が道中8番手からで2着。オークスは差し馬が強い競馬で、しかし極端に後ろになると差し遅れのリスクが出てくる。そういう意味では、前走ある程度積極的な位置取りをしたことがここへきてプラスになると思う。チューリップ賞と桜花賞の両方を連対する馬というのはいそうでそれほど多いものでもなく、能力の絶対値が高いことは明らか。楽勝もありうる。唯一心配なのは、木曜時点での計量で430キロと、前走比+4キロの余裕しかないこと。関東の輸送でどれだけ馬体をキープできるか。

 アットザシーサイドは距離延長が歓迎というタイプではないが、さりとて他に2400mが大得意という馬がたくさんいるわけではない。となると、それなりにこなしてそれなりの着順に来る可能性は十分にある。安定味のある馬なので、上位人気馬の中に派手に飛ぶ馬が出るほど、相対的に上の着順に入れる。

 アドマイヤリードは前走の上がりの脚こそ良かったが、付けてぎりぎりの△というところか。能力以前に心配なのは馬体重。木曜時点で既に前走出走時より2キロ軽い410キロ。阪神JF時に400キロを割った馬なので、輸送はかなり心配だ。

 レッドアヴァンセは逆に、馬体維持がテーマだった馬だがある程度の貯金をもって輸送を迎えられそう。今回は田辺騎手に乗り替わることもあり、さらに距離延長。いままでとは違う位置取りで、違う競馬を試みる可能性もある。そこが楽しみだ。

 別路線組ではもちろんチェッキーノが最有力だろう。西へ行かずオークスに備えた成果が出てもおかしくはないし、ここまでの競馬に悪いところはない。ただ、戦ってきた相手のレベルについては評価しようがないし、シンハライトより勝るとする根拠は作りづらい。もうひとつ気になるのはこの母系にトライアルホース的な雰囲気があること。シンコウラブリイを除くとステップレースで強さを発揮してきた近親が多い。

 ロッテンマイヤーもキャリアが浅いぶん未知の魅力はあるのだが、オークスは先行系の穴馬が成功する比率が低いレース。またこのコースで有利とは言えない外枠を引いてしまった。別路線組としてはやはりチェッキーノを評価しないわけにはいかないだろう。

 エンジェルフェイスもキャリアと鞍上である程度人気になりそうだが、こちらも脚質が問題。よほど楽にハナを切れれば分からないが、誰かが付いてくるようだとそれだけで厳しくなる。

 なにかが起きるとしたら内枠差し馬がうまく捌けたときだと思うので、一応候補としてアウェイクを挙げておく。ただ個人的にはシンハライトを軸にしようと考えているので、このあたりまでは手が回らない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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