
▲藤岡父子対談の最終回。藤岡調教師が赤裸々な思いを語ります
藤岡父子対談の最終回。父親であり、同じ競馬の世界に生きているだけに、佑介騎手の気持ちは手に取るようにわかるもの。成績が落ちて悩んでいたとき、フランスへの海外研修を決めたとき、藤岡調教師の胸の内はどうだったのか。そして、昨夏の佑介騎手に続き、康太騎手も落馬事故。痛切な思いを明かします。(取材・構成:不破由妃子)
(前回のつづき)
子供のなかで佑介が一番俺に似てる
──早いもので、佑介さんも今年で30歳。キャリア13年目を迎えたわけですが、ここまでの活躍や変化は、先生の目にはどう映ってらっしゃいますか?
藤岡 周りのバックアップのおかげで新人賞を獲れたわけだけど、決して佑介の実力ではなく、すべてがうまく回っての結果だと思っていたし、あとは競馬に行ってどれだけ考えて乗ることができるか、感性でどこまでカバーできるかだと思ってた。幸い、佑介には“考えられる頭”があったから、そこをいかに伸ばしていけるかが勝負だろうなと。
佑介 将雅との対談でも話したんだけど、最初の頃は誰よりも考えて乗っている自負があったよ。でも最近は、上位のジョッキーはもっともっと考えて乗ってるんだろうなって。いったいどこまで考えているのかが見えないのが悩み。
藤岡 悩む時期は誰にでも絶対にくるから。そういうときは、トコトン悩んだほうがいい。
佑介 成績が落ちて悩んでいたときも、親父は何も言わなかったよね。そんな親父を見て、「ああ、自分で考えろっていうことなんだな」と思った。