かつては疲れなどのリスクを警戒したものだが…
今週の安田記念は、モーリスとリアルスティール、2頭の海外帰りの馬が人気となる。
かつては「遠征帰り」というと疲れなどのリスクを警戒したものだが、実は過去を含めたデータを見ても、使ってくる以上は大丈夫と考えたほうがよさそうである。
1986年以降、前走で海外の競走に出走し、そのあと日本の重賞レースに出走したJRA調教馬はのべ171頭(実頭数では130頭だが、1頭で複数回がある)。その成績は[29-23-12-107]で、回収率は単75%・複87%。回収率は普通というところだ。
ただその中でも、2つ特に強い条件がある。ひとつは1番人気になる馬。[18-8-4-11]で、回収率は単複ともに93%。人気になる前提なのでさすがに100%以上まで数字は伸ばせていないが、かなり高い水準だ。
ちなみに単勝1.0〜1.4倍に推された3頭は全勝。1.5〜1.9倍は[7-2-1-2]。こちらで連を外した3頭はいずれも3歳馬で、4歳以上馬はパーフェクト連対を果たしている。
もうひとつ成績の良い条件は、休み明けではないことだ。中10週以下で帰国緒戦に臨んだケースは[19-12-5-42]で、回収率は単102%・複101%。海外帰りで疲れているかもという心配は無用で、むしろ続戦のほうがよい。
ちなみにこの条件下で1番人気になった古馬はかなり安定しており、[9-3-0-2]。着外2頭はエイシンプレストンの中山記念と安田記念で、03年ショウナンカンプの阪急杯以降はパーフェクト連対が続いている。
以上の傾向からも、モーリスが崩れる形はなさそう。リアルスティールが2着に来たり、逆転する可能性はどの程度か、という見積もりが予想の軸になるだろう。