スマートフォン版へ

荒れないエプソムC

  • 2016年06月07日(火) 12時00分


とにかく堅い

 毎年書いているのだが、エプソムCは堅い重賞である。芝中距離のGIII戦というと紛れてもおかしくなさそうだが、とにかく堅い。

 過去10年で見ると、1番人気は[3-3-2-2]、2番人気は[3-2-1-4]で、回収率は単複ともに100%前後の水準にある。一方で穴らしい穴というと12年のマイネルスターリー15番人気3着、08年のグラスボンバー12番人気3着くらい。これも人気順で見るとインパクトがあるが、前者は複勝で2000円弱、後者は1000円弱。人気馬が崩れないので、人気薄が来ても複勝の配当が伸びない。

 その結果として、全馬を均等買いした場合の回収率もかなり低くなっている。06年以降では単37%・複55%。これがどれくらい低いか、他の重賞と比較してみよう。

 06年以降(今年既に終了している重賞は過去11回となる)に行われた芝1800〜2200mの古馬GIIIは21レース。このうち中京記念は途中で施行条件が芝1600mとなり、府中牝馬Sは途中でGIIとなった。

 また、チャレンジカップは別定→ハンデ→レース名から「朝日」が取れる、と変遷しているがこの3つは同一レースとみなす(つまり、中京記念と府中牝馬Sを含めてもレース数は19)。

 均等買い時の単回収率37%は、文句なく低い方の1位。2位の中山金杯(42%)、3位の府中牝馬S(GIII時代の5回のみ・53%)にもはっきり着差をつけている。

 複55%のほうは見た目上だと2位なのだが、その場合の1位は別定時代の朝日チャレンジカップ(54%)。こちらはハンデ戦になった後・レース名が変わったあとを含めると72%。もともとの差も1%しかないし、事実上の「安いほう1位」と言っていいだろう。

 エプソムCを予想する際には以上の傾向を踏まえ、無茶はしないように堅めの予想でいきたいものだ。

【予想】須田鷹雄の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング