プロキシマ池江師「調教が進んでいる中でも一番走る」/吉田竜作マル秘週報
◆池江調教師「同じ2歳世代との追い切りではこちらが手応えがいいケースばかり」
セリでの売買が主流となった現在では「キュウ舎ゆかりの血統」というフレーズを使う機会は確実に減った。裏を返せば、「この血統が違うキュウ舎に入ったなら…」という興味があっさり現実のものとなる環境になったと言えようか。
母ノーブルステラの“代表傑作”といえば、今のところ池江キュウ舎で管理され、6勝を挙げたノーブルジュエリーとして差し支えなかろう。ただ、その弟や妹は別のキュウ舎への預託が続いた。記憶に新しいところでは安田キュウ舎所属の現3歳サトノサンシャイン。昨年のPOGで人気を集めながらも、現時点では未勝利。ネックになっているのは400キロそこそこの馬体のようで、「神経質なところがあって、大きくなり切らないんでしょう」(安田調教師)。
本題はここから。現2歳のプロキシマ(牝=父ステイゴールド)はノーブルジュエリー以来、久々に池江キュウ舎へ“帰ってきた”形になる。早速、河合助手に話をうかがうと、「牝馬にしては体がある。470〜480キロくらいじゃないか」。全姉サトノサンシャインとは正反対なのがなかなか面白い。
「同じ2歳世代との追い切りではこちらが手応えがいいケースばかり。調教が進んでいる中でも一番走るんじゃないかな」とのことで、日曜(19日)の阪神芝外1600メートルで初陣を迎える予定だ。
で、この話には続きがあって、プロキシマの動向を誰より気にしているのが、サトノサンシャインを管理する安田調教師なのがまた面白い。同じ番組に期待馬マナープリンセス(牝=父ハーツクライ、母ホットマンボ)を送り出すからだ。ゲート練習でてこずることもあったが、今は克服。調教では切れのある動きを連発している。
「順調にきてますね。ゲート練習はまだ続けていますが、賢い馬なので、もう大丈夫でしょう。稽古に乗ってくれた鮫島駿騎手も、すごく高い評価をしてくれているんです。勝ち気な性格で、実戦でもいい根性を出してくれそう」と自信を見せる安田調教師の口から続けて出た言葉は「サトノサンシャインの全妹が評判なんですよね。ウチのはああいう性格だけど、池江さんの(プロキシマ)はどうなんでしょう? いろいろな意味で見ものですね」。
プロキシマがノーブルジュエリーに続く活躍を見せるようなら、さすがにこの血統は池江キュウ舎の「ゆかりの血統」として今後は根付く可能性も高まるが、安田調教師のマナープリンセスに寄せる期待も相当なもの。今週は重賞が組まれていない阪神競馬だが、2歳新馬戦で重賞級の熱い戦いが繰り広げられそうだ。