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二強に迫る伏兵を最終追い切りでチェック!/宝塚記念

  • 2016年06月22日(水) 18時00分


今晩21時、ニコニコ生放送に出演!

 いよいよ今週は宝塚記念。ということで、今晩はニコニコ生放送に出演させていただきます。最初は「太組さんと」とお聞きしていたので、ちょっと難色を示したわけですが(笑)、きちんとした方がMCだということだったので、喜んでお引き受けさせていただきました。今回が初めての試みになるので、どのような番組になるのか分かりませんが、たくさんの方に視聴していただけると幸いです。

 放送でいろいろとお話しさせていただくのかも知れませんが、ここではいつも通り、5頭を取り上げて調教分析。すでにファン投票1位と2位についてはトレセンニュースの速報で最終追い切りをお伝えしているので、そちらをご覧ください。でもすでに私の宝塚記念の予想コンセプトをご存じの方なら、どの馬を重視しているかということはお分かりでしょう。そう、日刊スポーツ競馬特集号にも記したように、大きく取り上げてもらっていた2頭で◎を悩んでいます。

【宝塚記念/アンビシャス】

 栗東へ帰厩した時にトレセンニュースにも取り上げましたが、馬体がかなりふっくらとして戻ってきました。音無秀孝調教師は「今までで一番大人しい。これがいい方に出るのかどうか」と半信半疑でしたが、個人的には気性が成長したのではないかと解釈していました。徐々に煩さは出ているようですが、それでも昔ほどではないとのこと。しかし、それが追い切りの動き「迫力」になっているような気がします。

 最終追い切りはトルストイとの併せ馬でしたが、以前よりもフットワークが豪快になったように思います。そして走りがパワフル。だからこそ先週、今週と1F目から13秒台のラップを踏んでいるにも関わらず、後半3Fが12秒台のラップを持続しているのではないでしょうか。これは毎日王冠や天皇賞秋の時には踏めなかったラップ。そして大阪杯でもこのラップで安定しているとは言えませんでした。それが今のアンビシャスはこのラップで安定。精神的にも肉体的にも成長の4歳夏といってよいでしょう。

アンビシャス(6月21日撮影)

以前よりもフットワークが豪快になったアンビシャス(6月21日撮影)



【宝塚記念/ステファノス】

 前走の仕上がりについて、宝塚記念が3週間後に控える状況になることもあって、やっぱり余裕を持たせた調教かなという印象。それでもレースできっちり結果を出すあたりは能力の高さ、陣営の技術なんだろうと思います。そして、中2週は天皇賞秋で2着した時と同じローテーションなので、個人的には当時と同じ調教パターンになるかどうかを注目していました。

 しかし、当時のように1週前の時点はCW追い切りではなく、坂路で単走という内容でした。私は阪神芝2200mで行われる宝塚記念において、栗東坂路での調教が必要不可欠だと考えているので、そういった意味でこの変化はプラスに考えています。ただ、最終追い切りを馬なりで終えたのは意外でした。天皇賞秋の最終追い切りでは攻め駆けするトーホウストロングを追走して、一杯に追って先着するという内容だったので、ここが大きく違います。当時とは季節が違うだけに、これでもいいのかどうか。ちょっと判断に迷います。

ステファノス(6月22日撮影)

最終追い切りを馬なりで終えたのは意外だったステファノス(6月22日撮影)



【宝塚記念/シュヴァルグラン】

 前走後、初めての併せ馬となった6月8日のCWでの併せ馬がジルダに追いつけず遅れ。この時点では2週前追い切りだったので、特に何の心配もしていませんでした。なにせ、併せ馬では追走するとあまり動かないのが、この馬の定番。特にレースまで時間がある時はこのテンションで全く問題ないと思っていました。

 しかし、1週前追い切りの時点でもクラリティスカイに遅れ。ここは目一杯に追って、前に届かなかったので、どうなんだろうとちょっと首を捻りました。そして、最終追い切りは福永祐一騎手が跨って、同じクラリティスカイに追いつかせてもらったという感じ。ゴールを過ぎてから、クラリティスカイが手綱を緩めると、ぐんと伸びただけに、実質遅れたような内容です。時計的には前走時もよりも速く、負荷はかけられていると思います。ただ、前走時よりも気が乗っていないように見えるのも確か。今回は距離が短くなるだけに、このイメージだと差し遅れそうな感じがしますが、どうでしょうか。

シュヴァルグラン(6月22日撮影)

前走時よりも気が乗っていないように見えるシュヴァルグラン(内・6月22日撮影)



【宝塚記念/トーホウジャッカル】

 1F13.2秒。前走時の最終追い切り、栗東坂路での時計ですが、菊花賞時は1F11.9秒。数字を比較しただけでも、当時と違うことは明白ですが、動きも全く違うものでした。それでいて、見せ場十分の5着。やっぱり力がある馬なんだと実感したのは言うまでもありません。

 それだけに詰めて使える今回はもっと良くなりそうな予感がありました。1週毎にその動きが迫力を増していき、1週前追い切りでは久しぶりの1F12.1秒。これもかなり迫力がありましたし、最終追い切りは1週前よりも2F目のラップを速めたにも関わらず、1F12.2秒の伸び。しっかり追ったのはゴール50m手前くらいだったように見えましたから、もっと早目に追い出せば、この数字よりも速い時計になった可能性もあると感じることができる走り。少なくとも昨年4着時、前走よりもいい状態で出走できることは間違いありません。

トーホウジャッカル(6月21日撮影)

昨年4着時、前走よりもいい状態で出走できることは間違いないトーホウジャッカル(6月21日撮影)



【宝塚記念/サトノノブレス】

 前走鳴尾記念を勝っての参戦は昨年の覇者、同厩舎ラブリーデイと同じパターン。それだけに、調教内容もラブリーデイのような過程を辿れば、同じ結果になる可能性があると思っていました。そして、最終追い切りを終えて。結論から言えば絶対に、馬券では押さえておかなければいけない馬だと思います。

 追い切り本数が多く、19日の追い切りは坂路、最終追い切りはCW。ここまで全く同じです。そして、この馬自身はCWで6Fから速い時計を出すことが好走調教。オリハルコンを追走して、最後一杯に追ってきっちり先着して、時計は6F81.6秒。前走時とほぼ変わりない、というか、前走時もより終いの伸びは素晴らしかっただけに、あとはどんな走りを見せてくれるかといったところ。

サトノノブレス(6月21日撮影)

絶対に押さえておかなければいけないサトノノブレス(6月22日撮影)



◆次走要注意

・6/18 3歳未勝利【ペイシャバラード】(5人/4着)

 最終追い切りで美浦坂路4F時計の自己ベストを更新。スピード能力は十分に未勝利を勝ち上がるものを持っていると思います。
 ただ、1400mという距離は少し長いかも知れません。これから先、1200m以下の距離であれば、十分に勝ち負けになると思います。

[メモ登録用コメント] [ダート1200m以下]最終追い切り美浦坂路4F時計54秒以下なら勝ち負け

・6/19 ユニコーンS【クインズサターン】(5人/5着)

 パドックでの雰囲気、返し馬での石川裕紀人騎手のコンタクト。いずれも申し分なく、レース内容に関しても「指示した通りに乗ってくれた」と野中賢二調教師。それで5着ですから、これはもう完敗。
 今後は1000万下に出走してくると思うので、再び成長した姿を秋に見ることができれば。


[メモ登録用コメント] [ダート]最終追い切り栗東坂路でラスト1F12.5秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・皆生特別【レッドラウダ】
 22日の坂路馬場、2回目のハロー明け。ある程度の頭数が駆け上がった後なので、決して時計の出る馬場状態ではなかったと思いますが、ブラックスピネルを相手に「坂路大将」なところを見せて先着。その時計が自己ベストを更新したあたり、この時季が良いことも間違いないでしょう。古馬相手でも1200mなら勝ち負けです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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