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宝塚記念、各馬の不安要素と「馬券的に面白い存在」

  • 2016年06月24日(金) 18時00分


◆天皇賞春→宝塚記念は結びつきにくい

 フルゲートは欠けたものの、なかなかのメンバーが揃った今年の宝塚記念。最終的に展開が大きく作用しそうではあるが、ここでは過去のデータと各馬の適性から評価しておきたい。

 キタサンブラックは展開を味方につけるのが上手いが、天皇賞春は究極に近い競馬。あれ以上の展開は想像しづらいうえに、もともと天皇賞春→宝塚記念は結びつきにくい。そう考えると、実力を認めつつヒモまで、というところか。

 その理屈でいうとカレンミロティックシュヴァルグランも評価しづらいが、前者はこのレースでの2着歴があるし、展開次第では3着くらいはあるかもしれない。

 ドゥラメンテはドバイ帰りだが、同じ海外帰りでもモーリスよりは間隔もあったし調整は容易だったはず。もともとの地力を考えると楽勝があってもおかしくない。ただ、復帰後が辛勝→惜敗で、骨折による能力減退があるのか無いのか分かりづらい。馬券の中に置く必要はあるが、軸にするべきかどうかはぎりぎり悩むところだ。

 同じ4歳のアンビシャスは中山記念でドゥラメンテに差し迫った一方、大阪杯では先行抜け出しで勝利。人気の差を考えると馬券的には面白い存在だし、今回は枠もいい。宝塚記念は位置を取れる馬のほうがベターなので、枠なりに前へ行ってくれればと思う。

 昨年の覇者ラブリーデイはJC以降が良いような悪いような……という内容。位置取りが微妙に下がっているのも気になる。個人的には、3着付けかせいぜい2着までで、アタマまでは見込まなくて良いように思う。

 侮ってはいけないのが鳴尾記念組。旧金鯱賞と鳴尾記念からは8年連続で3着以内馬が出ている。問題はサトノノブレスステファノスのどちらを取るか。人気はステファノスだろうしGI実績もそちらなのだが、道中位置ではサトノノブレスのほうが前。また、上がりがかかればサトノノブレス、速ければステファノスという気もする。

 マリアライトはある程度売れそうだが、目黒記念組はこのレースで散々だし、枠順も苦しい。枠に恵まれなかったといえばサトノクラウンも同じ。渋った馬場もこなせるし前付けもできる馬なので面白いのだが、8枠15番からだと位置を取る際の負荷もそれなりになる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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