スマートフォン版へ

ブラックスピネルの最終追い切りは? 有力馬の最終追い切りをチェック!

  • 2016年06月29日(水) 18時00分


ブラックスピネルは当日の気配に注意

 今週から福島、中京競馬場での開催がスタート。いよいよ夏競馬本番といったところでしょうか。ただ、今週末の東西重賞には栗東所属馬の有力馬がいるため、29日の追い切りはなかなか忙しい状態。ここに中京開催を待ってデビューをスタンバイしている馬の追い切りもあったり、馬券的に狙ってみたくなるような未勝利の追い切りがあったり。

 馬の数は北海道へ移動している馬もいて、ピークよりは少なくなっていますが、今週末もウマい馬券はあります。なんとかお役に立てる予想をしたいと思っておりますので、当コラムも含め、週末予想の方もご覧いただけると幸いです。

【ラジオNIKKEI賞/ブラックスピネル】

 前走白百合S後はすぐにここを目標に定めて、中間はノーザンFしがらきで短期放牧。帰厩して太いという状態ではありませんでしたが、6月22日の1週前追い切りではレッドラウダと併せて、坂路4F50.6秒をマーク。これが自己ベスト更新となり、ここで体をつくったという状態になりました。

 だからといって、最終追い切りが軽くなったわけではなく、トルストイと併せて4F52.3秒。相手がラスト1Fで失速するところを12.6秒でまとめて2馬身ほど先着。これから攻めた状態で福島競馬場へ輸送すれば、馬体重は500キロを切るかも知れませんが、すみれSが494キロでの競馬ですから、そのあたりの数字なら許容範囲。ただし、490キロを切るような数字になってくると、オーバーワークの可能性も出てくるだけに、レース当日の気配や馬体重には注意したいところです。

ブラックスピネル(6月28日撮影)

レース当日の気配や馬体重には注意したいブラックスピネル(6月28日撮影)



【ラジオNIKKEI賞/ジョルジュサンク】

 前走4着後は吉澤ステーブルWESTへ放牧に出されて、6月15日に帰厩。そして、この中間は最終追い切りも含めて、坂路2本、トラック2本の併用調教。1週前追い切りはCWでモズエエヤンとの併せ馬でしたが、その動きがひと息だっただけに、最終追い切りでどこまで動けるかに注目していました。

 CWでチャップリンを1馬身ほど追走。外を回ったことや相手が攻め駆けすることもあって、最後は遅れてのゴール。時計は6F81.3〜5F66.5〜4F52.1〜3F37.9〜1F12.0秒と先週よりも速い数字。状態に関してはまとまってきたという印象ですが、あとは栗東在厩時に最終追い切りをトラックにしたことがない点。これをどう判断するか。福島競馬場までの輸送を考えると、あまりプラスとは思えませんが、小回り対応するためのトラック調教という意味で価値があると思います。

ジョルジュサンク(6月29日撮影)

状態に関してはまとまってきたという印象のジョルジュサンク(6月29日撮影)



【ラジオNIKKEI賞/ロードヴァンドール】

 デビューから6戦、掲示板を外したことがない逃げ馬。ここ4走はすべてコーナー4つの芝2000mを使って主導権を握ったレースをしているわけですから、ここも同じように先手を奪うことができるはず。中5週ですが、坂路とCWを併用してきっちりと調教を積んでいる印象があります。

 最終追い切りはCWで単走。これは個人的に意外でした。というのも、過去2走は併せ馬。いずれも古馬1600万下という格上を相手にして先着する内容。最終追い切りもきっちりと追って仕上げるタイプだけに、6F84.2秒と軽い内容をどう判断するか。流れ的なことで判断すると6月22日の追い切りが6F78.7秒と速いものになったことが影響しているようにも思えるだけに、あまり評価できるような内容ではありません。

ロードヴァンドール(6月29日撮影)

あまり評価できるような内容ではなかったロードヴァンドール(6月29日撮影)



【CBC賞/エイシンブルズアイ】

 高松宮記念5着以来のレースとなりますが、ここに向けて入念に、そして丁寧に仕上げている印象。それは追い切り本数を見ても分かりますし、中間がすべて馬なりでの追い切りにも関わらず、徐々に時計が詰まっているという馬の動き方にも表れています。

 最終追い切りも明らかにリズム重視。CWを半周した後、坂路を単走での追い切り。前半をゆっくり入ったと思いきや、後半はしっかり時計を出して2F24.3秒。これはオーシャンSを勝った時の最終追い切りとほぼ同じ内容。当時よりも斤量が1キロ重くなっていますが、57キロ自体は高松宮記念で経験済み。負けるシーンがあるとすれば、やっぱり差し遅れではないでしょうか。

エイシンブルズアイ(6月28日撮影)

オーシャンSを勝った時の最終追い切りとほぼ同じ内容だったエイシンブルズアイ(6月28日撮影)



【CBC賞/サドンストーム】

 昨年の3着馬。その後の成績が今ひとつでしたが、前走春雷Sで3着。この最終追い切りが坂路ラスト1F12.1秒と伸びていたので、ラスト1Fの数字はこの馬の好走凡走のバロメーターだと判断。ちなみに昨年の休み明けCBC賞もラスト1Fが12.3秒で最速ラップを踏んでいました。

 ただ、この中間はどうしても3F目が最速になるラップが多くなっています。最終追い切りでも3F目12.1秒、4F目12.3秒。数字だけ見れば、全く悪い内容ではありませんが、少しメリハリの利いたラップを踏む方が好走するタイプだと思えるだけに、この追い切りをどう判断するかでしょう。

サドンストーム(6月28日撮影)

数字だけ見れば、全く悪い内容ではありませんがどう判断するか迷うサドンストーム(6月28日撮影)



◆次走要注意

・6/26 2歳新馬【アカカ】(1人/7着)

 スタートは悪くなかったのですが、控えて後方からのレース。3コーナーではとても届かない位置でしたが、そこからコーナーで動いて、直線入口では圏内まで取り付きました。
 しかし、そこで脚を使っては、最後まで伸びるわけがありません。個人的には距離で負けたというよりもレース展開に問題があったと思います。続戦の予定ですが、できればマイルを使ってほしいところ。

[メモ登録用コメント] [芝1600m]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

・6/26 皆生特別【フルールシチー】(4人/13着)

 休み明けでも追い切りの動きから、力を出せる状態だったことは間違いないでしょう。そのあたりは516キロで前走から4キロしか増えていない体重にも表れています。
 ただ、レースに関しては馬群を突き進むような形で先行したことによって、大きく尻尾を上げて抵抗。印象として、力を出していないように見えました。外枠などいろんな条件が重ならないと好走できない難しい馬ですが、能力は間違いなくオープンクラスです。

[メモ登録用コメント] [芝]西園正都厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【デザートナイト】
 この中間はずっとDPで追い切り、今週はレース出走予定なので、26日の坂路で時計。そして、29日の最終追い切りは松田大作騎手が跨っての内容でしたが、1週前に同騎手が跨って、しっかりと追われたことが効いて、今週の動きは今までで一番。今回はダート戦を予定していますが、中京ダート1400mは芝スタート。ここでリズムをつくれば、楽に逃げ切るだけの脚力を持っています。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング