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音無厩舎確たる自信 ブラック/トレセン発秘話

  • 2016年06月29日(水) 18時00分


◆過去10年でトップハンデの勝利は昨年のアンビシャスだけとデータは実績馬不利を伝えるが…

「この時期の3歳限定重賞をハンデ戦にする必要があるのか?」

 GIIIラジオNIKKEI賞(7月3日=福島芝1800メートル)に関しては、この手の不満の声が毎年のように聞こえてくる。能力差がハッキリしていない、というよりは、つかめていないであろう3歳夏の時点で、斤量差をつけるのは難しいし、その必要もないということなのだろうが…。一方でこんな意見もある。

「このレースに使うのはハンデも魅力のひとつ。1キロ、2キロ…少しでも斤量が軽くなれば、その分、チャンスは広がるわけだから。ハンデ戦だからこそ使いたいという陣営は少なくないと思うよ」(ツーエムレジェンドとナイトオブナイツを登録した池添兼調教師)

 実績馬には少々負担になるが、斤量差を求めて叩き上げの馬たちがこぞってチャレンジしてくるのが、このラジオNIKKEI賞。ハンデ戦に変わった2006年以降、11年(中山で施行)を除けば全てフルゲートで行われている実績を考えれば、興行としては成功と言えるのかもしれない。

 レースの勝敗を左右する“肝”となるのは当然このハンデ。過去10年でトップハンデの勝利は昨年のアンビシャスだけとデータは実績馬不利を伝えるが…。

「去年に続いて、今年もハンデを背負うだろうけど、それでもしっかり結果を出してくれると思うよ。現時点ではアンビシャスほどの器とまでは言えないけどね。この馬にはそれを補う自在性がある」とはブラックスピネルで当レース連覇を狙う音無キュウ舎の東田助手だ。

「当初はもう一頭ノガロもここに使う予定だったんだけど、2頭出しではもったいないから、この馬だけにしたんだ。1800メートルの距離がベストだってことは前走(白百合S1着)で再認識したし、小回り福島なんてまさにもってこいだよ」

 同日中京のGIII・CBC賞にはベルカントというお手馬がいるにもかかわらず、武豊がこちらに乗ることからも、勝負気配は十分過ぎるほど伝わってくる。音無キュウ舎が2年連続でトップハンデVを決め、ラジオNIKKEI賞の実績馬不利というデータを覆す…そんなシナリオもありなのかも、と思う坂路野郎であった。
(栗東の坂路野郎・高岡功)

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