◆内山助手「なかなか順調に使えなかったけど、今の状態なら重賞も意識できるよ」
ダート戦の「良」と「不良」では一体どれくらいの時計差があるのだろうか?
「馬場がどれだけ渋ったかにもよるとは思うけど、良と重でも1秒ぐらい差があるし、不良だったら2秒程度は変わってくるんじゃないか」(某調教師)
だとすれば、日曜(17日)中京メーンのジュライS(3歳上オープン、ダ1800メートル)に出走するマスクゾロが、前走の1600万下・桃山S(京都ダ1900メートル)でマークした勝ち時計は、日本レコードに匹敵する超速タイムだったことになる。
ダート1900メートルの日本レコードは、2011年に不良馬場で行われたGII東海S(京都)でワンダーアキュートがマークした1分53秒7。対するマスクゾロの桃山Sは全体的に時計が出ていたとはいえ、良馬場で1分55秒9。単純にそこから2秒差し引くと、日本レコードに0秒2差まで迫ることになるのだ。
「前走があれだけ強かったので、重賞を使いたかった。出れていたら、きっといい勝負になっていたと思う」とマスクゾロの調教役の内山助手は、GIII平安Sの除外を残念そうに振り返る。実際、アスカノロマンの5馬身差圧勝に終わった平安Sの勝ち時計は1分56秒2止まり。机上の計算では十分勝負になっていたことになる。
「デビュー前から馬っぷりはすごかったし、走ってくる馬だと思っていたんだ。脚部不安とかがあって、なかなか順調に使えなかったけど、今は脚元も落ち着いているし、稽古もしっかりやれるようになってきたからね。今の状態なら重賞も意識できるよ」(内山助手)
今後、ダート重賞路線で戦っていくためには、このオープン特別はきっちり結果を出しておく必要があり、内山助手も「平安Sも出走できていたら秋山でいく予定だったけど、アイツもこの馬は手放したくないと思っているはず。ここは何とかしておきたいし、何とかしてくれるんじゃないか」と必勝を誓っている。
桃山Sの時計の価値は果たして!? “怪傑ゾロ”の痛快な走りに注目してほしい。
(栗東の坂路野郎・高岡功)