「成長が見られた」ジュライSのモルトベーネ
梅雨時期なので、仕方ないことですが、先週末の中京競馬場には参りました。栗東でも8日夜から雨が降り始めて、夜明け頃は土砂降りといった感じ。その後も止む気配はなく、かなり降っていましたが、中京競馬場ではその影響がモロに出たといった感じの不良馬場。過去に同じ舞台で好走した馬の調教を参考にする私の予想方法にとって、ここまで過去と違う馬場になってしまうと、何を中心に据えるべきか迷ってしまうのですよね。
中京芝1600m以下の距離の場合、栗東坂路で後半2Fの時計が速い馬が好走しています。それをあてはめて予想した9日はほぼ惨敗。よって、9日に好走した馬の調教傾向を重視すると、10日は馬場が回復傾向で2F時計の速い馬が好走。いわゆる「後追い」ってやつで連敗でした。今週は週中の雨がどこまで週末に影響するか。気温さえ上がれば、ある程度は乾いてくるでしょうから、その方向で予想を組み立てるつもりです。
なお、今週の重賞は函館記念ですが、追い切りは函館競馬場で行われていて栗東で追い切る馬はいないため、ここでは福島競馬場、中京競馬場の特別レースに出走予定の馬をそれぞれ取り上げてみました。
【安達太良S/セトノプロミス】
上総Sに出走した時は○を打ったくらい、状態の良さを感じていました。その後は惰性で使っている印象を受けていましたし、特に前走は距離も不向きで、ここで休養というのは納得のローテーションだったと思います。今回帰厩してから、かなりの追い切り本数を積んでおり、そのおかげで週を追うごとに良化。特に先週の追い切りは絶品でした。
そして、13日の最終追い切り。1F目が遅いラップだったこともあり、先週ほどではないかなと思いましたが、ラップを確認すると見た目のゆったりした走りよりも速い数字が出ています。それでいながら、最後の直線では抜群の伸び。休み明けの福島ダート1700mは6走前に実績があるので最適。ただ、安達太良Sは除外の可能性があり、その場合はジュライSに出走を予定しているようです。
最後の直線では抜群の伸びをみせたセトノプロミス(7月13日撮影)
【マレーシアC/アングライフェン】
関東圏へ輸送すると馬体が減るということで、大きめにつくったはずの前走でしたが、それでも体は減りました。レース当日の元気ない気配を考えても、状態に関してはレース当日でかなりダウンしたと考えてよいでしょう。
今回は中3週での出走なので、過去の好走パターンからいえば、5本以上の追い切り本数があって不思議ないところ。それが2本しかないというのは、明らかに馬体回復のためのセーブ調教。能力的には明らかに上位ですが、状態に関しては前走よりも良いということは考えにくい調教内容です。
【バーデンバーデンC/ジャストドゥイング】
前走が福島競馬場2回目のレースでしたが、馬体重の増減も大きくなく、レースぶりも完勝。思えば、2歳未勝利を勝っている競馬場で時期も同じ。久しぶりの勝利を挙げるには最適な舞台だったといってよいかも知れません。ただ、仕上がりに関しては前走時が100%というわけではないでしょう。
その点、今回は中1週でも13日の追い切りでラスト1Fが最速になるラップを踏めました。前半を遅いラップで走りましたが、だからといって力んでいたわけでもなく、スムーズな加速。中1週で再び福島競馬場まで輸送しなければいけないので、その点でダメージを受けないようであれば、前走以上のパフォーマンスが可能な状態です。
輸送のダメージを受けないようであれば、前走以上のパフォーマンスが可能な状態のジャストドゥイング(7月12日撮影)
【ジュライS/モルトベーネ】
近4戦で3勝。もともと当日輸送の競馬に難があった馬ですが、前走の阪神競馬場への輸送も特に問題なかったとのこと。そうなれば、能力全開といったところなのでしょう。ブリリアントS以降の調教特徴として、ラスト2Fが25秒を切っていることが挙げられます。これだけ動くことができるのは成長の証でしょう。
そして、前走時の最終追い切りのように、3F目が12秒台で、4F目が12秒フラット前後。これが好走調教だと思っていましたが、13日の追い切りでは3F目12.3秒、4F目12.1秒。モニターで動きを確認しましたが、馬自身が前半をゆったり、後半をしっかり走ることに慣れてきました。この走りができるようなら、よほどのことがないかぎりは大崩れのイメージはありません。
よほどのことがないかぎりは大崩れはないであろうモルトベーネ(7月12日撮影)
【フィリピンT/フルールシチー】
前走はスタートからレースの流れに乗ることができず、馬も嫌気を差したというレース。挽回に向けて、当初は来週の福島芝1200mを予定していたようですが、中2週に実績があって、2勝を挙げている中京芝1200m。状態さえ整っていれば、ここに出走して何の問題もない条件ではないでしょうか。
追い切りでは4F時計もラスト1F時計も素晴らしく動くタイプ。それだけに13日の1F11.8秒を極端に高く評価できるわけではありませんが、きれいな加速ラップを踏んでいる上、この時計を出せていることは状態は文句なしということ。今回は無理に先行することなく、最後の直線でバラけるような展開になってくれれば、力を発揮できそうです。
◆次走要注意
・7/9 2歳新馬【ダンビュライト】(3人/1着)
追い切りの動きを見れば、勝ち負け不思議ないと思いましたが、あの馬場であの勝ち方には驚きました。だからといって、良馬場が不得意だとは思えませんし、これからの活躍が楽しみ。
[メモ登録用コメント] [芝1600m]最終追い切り栗東坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け
・7/10 七夕賞【マーティンボロ】(10人/6着)
最終追い切りの内容から、好走しても不思議ないと思っていましたが、最後の直線は見せ場十分。ジョッキーの好騎乗もあったと思いますが、あの走りは次走につながる闘争心になったと思います。
このままサマーシリーズを走り続けるようなら、どこかで馬券になりそうな気がしますが、やはり最終追い切りをCWで行える方が脚の持続力はあるでしょう。
[メモ登録用コメント] [芝2000m]最終追い切り場所がCWなら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・3歳未勝利【ノボリクラウン】
13日のCWで2歳新馬ノゾミとの併せ馬でしたが、相手が必死に食らいつこうとするところを馬なりの手応えで併走。最後は抑え切れずに先着でしたが、1F12.4秒の伸び。まだ追い切り本数が少ないので、もう少し先のレースがベストだと思いますが、馬自身は以前とは違う印象を受けました。