地方競馬に生きるレジェンドの姿に発奮する小牧太/トレセン発秘話
◆地方競馬の“生きるレジェンド”的場文男
20日朝のことだ。GIII中京記念に出走するピークトラムの最終追い切りの動きをチェックしようとウッドコースに目を凝らしていると、「ゼッケン1780」の背中に見慣れない派手な調教服を着た男の姿があった。赤地に白い星が5つ…誰かと思ったら小牧太騎手ではないか。
「的場文男さんの勝負服なんだ。重賞の追い切りやし、グリーンチャンネルにいい感じで映ると思って着てみたよ」とちゃめっ気たっぷり。なんでも9月7日に還暦を迎える地方競馬の“生きるレジェンド”と対談した際に、プレゼントされたTシャツだという。
「僕と誕生日が一緒なんだけど、“ひと回り”上なんだよね。あの年であれだけ競馬に乗っているのはすごいこと。僕ももっともっと頑張らなあきませんわ」
60歳目前にして、いまだ現役バリバリで競馬に乗っているレジェンドの姿に刺激を受けまくったようだ。
栗東トレセンでは68歳の岩元調教師が、いまだに馬に乗って、弟子の和田騎手などとともにビッシリ併せ馬をしている姿を日常的に見かける。いわゆる会社員なら、定年して静かに年金暮らしをしていてもおかしくない年齢。そんな男たちがサラブレッドを操り、ハイスピードで駆けている。普通の感覚でいえば、あり得ないことだ。的場文騎手、岩元調教師…シニア世代の奮闘ぶりを見るにつけ、我々ももっと頑張らないといけない気持ちにさせられる。
さて、地方競馬のレジェンドの姿に発奮した小牧太騎手。肝心のピークトラムの動きに関してもかなりの手応えがあったようで、「体がしっかり使えていてすごくいい。絶好調やね」。中央のベテラン騎手の奮闘ぶりにも注目してほしい。(栗東の坂路野郎・高岡功)