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坂路駆けする馬は千直得意/トレセン発秘話

  • 2016年07月27日(水) 18時00分


◆過去の勝ち馬は、坂路で猛時計を叩き出すタイプが多い

 坂路で攻め駆けする馬は新潟芝直線1000メートルの適性が高いといわれている。カノヤザクラ、エーシンヴァーゴウ、ベルカント…GIIIアイビスサマーダッシュの過去の勝ち馬は、坂路で猛時計を叩き出すタイプが多いのは確かだ。

 一方、厩舎に目を向けても、関西の中でこの舞台の勝ち鞍が最も多いのが、坂路でやたら攻め駆けする馬がいる森厩舎(過去10勝は2位岡田厩舎=5勝にダブルスコア、東西全厩舎で見ても3位)なのも、ある意味納得である。

「坂路は基本、勾配を駆け上がるトレーニングではありますけどね。その構造上、直線を真っすぐ走るトレーニングにもなるし、短距離戦に必要なダッシュ力を磨くことにもなる。だから“千直"で坂路駆けする馬が好成績を挙げているのではないでしょうか」とは森厩舎の清永助手だ。

 もちろん、森厩舎は千直対策のために坂路で猛時計を叩き出しているわけではなく、森厩舎の調教手法が“結果的に"千直での好成績につながっているだけなのだが…。「ウチは坂路で速い時計を出すことにかけては腕がありますからね」(清永助手)と自負する厩舎が千直に使ってきた時は、無条件にマークしておかなければならないのは確か。そう、日曜(31日)のアイビスSDに出走するネロである。

「昨年も使おうと思えば使えたんですが、(武)ユタカさんが乗ってくれる小倉の自己条件(佐世保S)に行くことになって…。ネロにとってはこの1年間、アイビスSDを目標にやってきたようなもの。中間も週2本、坂路でいい時計を出していますし、準備は万端です」(清永助手)

 これまで千直では<2200>と連対を外していない「馬」が、満を持してアイビスSD初挑戦となるわけだが、実は「人」の準備も怠りなし。鞍上の内田博は、名人といわれる村田より千直での勝率が高い“真の名人"で、特に森厩舎&内田博のタッグで臨んだ時は<2100>なのだ。

 まさに今回は厩舎、馬、騎手の3つが全て「千直名人」という“三位一体"攻撃。最終追い切りを待たずして、ほぼ本命は決まっている坂路野郎である。
(栗東の坂路野郎・高岡功)

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