ケイティブレイブ タルマエ同様の期待/トレセン発秘話
◆レパードSは結果を出さなければならない一戦
厩舎が解散すれば、当然スタッフは別の厩舎に移籍することになるのだが、厩舎が存続している間に、違う厩舎に移るケースも少なくない。自身の調教師試験のためとか、人間関係の問題など、理由は様々。そういった移籍が珍しくないこの世界では時に、かつて携わった馬を“外野”から見ることになる。
現在、目野厩舎で攻め専の調教助手として活躍している柳田助手は、かつて西浦厩舎の番頭として辣腕を振るった。現GI10勝馬ホッコータルマエのデビュー当初の調教役にして、その素質をいち早く見抜いた人物でもある。
「デビュー当初は成績が安定しなかったから、当時の担当者も“走らん”と言って違う馬を選択したほど。それでも俺は走ってくると思っていたし、新しく担当になった人間にも“絶対走るから大事にした方がいい”って言っといたんだよね」
そんなホッコータルマエの飛躍のキッカケとなったのが、3歳夏のGIIIレパードS(新潟ダ1800メートル)。ナムラビクターやイジゲンといった強豪を好位からの競馬で完封して、見事に初重賞Vを決めた。
「6月の(同じく3歳限定のGIII)ユニコーンSは除外になったぐらいだし…。あのレパードSを勝ったことで秋には使いたいレースに使うことができるようになった。その意味でも大きな勝利だったんだ」
これも巡り合わせなのだろうか? 目野厩舎に籍を移した柳田助手は、当時のホッコータルマエと同じくらいの期待をもって、日曜(7日)のレパードSにケイティブレイブを送り出す。
「秋には賞金をたくさん持った古馬たちに挑戦しないといけないからね。そのためには、ここはしっかり勝っておかないと。今でもホッコータルマエがレースに出てる時はやっぱり気になってチラ見しちゃうけど、一緒に走ることになれば、堂々と見ることもできる(笑い)。どこかであの馬に挑戦したいと思っているんだよね」
ケイティブレイブが、かつて携わった砂の王者に、新勢力の代表としてぶつかっていくためには…。レパードSは結果を出さなければならない一戦と位置づけている。
(栗東の坂路野郎・高岡功)