オウノミチ佐々木師、ベルカント角田師が口揃え「ハンデがポイント」/トレセン発秘話
◆狙い馬は相当な斤量差があることが絶対条件
先週末に先取り取材を進めていた時のこと。GIII北九州記念(21日=小倉芝1200メートル)の想定メンバーを見るなり、「どれ、貸してみぃ」とそれを奪い取り、各馬のハンデを“予想”し始めたのがオウノミチを出走させる佐々木調教師。いわく「今回のレースはベルカントのハンデがどれぐらいになるか。それと他馬との斤量差。そこがポイントや」とレースの肝を指摘した。
実際、ベルカントを管理する角田調教師もアイビスSDを勝った直後に「相手関係どうのより、ハンデがどうなるか。次はそことの闘い」と口にした。
つまり、ベルカントにあえて“反抗”するなら、狙い馬は相当な斤量差があることが絶対条件。その観点からすると、決して無視できないのがフルールシチーだ。
格上挑戦の身だけに、軽ハンデは当たり前なのだが、関西では安田キュウ舎とともに“短距離王国”として名をはせている西園キュウ舎にあって、「ウチの短距離重賞を勝ってきた馬たちと比べても、稽古の動きは遜色ない」(西園調教師)と素質の高さを強調され続けた坂路野郎にとっては、ベルカントと実に6キロ差のハンデ50キロは相当な恵量に映る。
2週後の小倉開催最終週(9月3日)に、自己条件1600万下の北九州短距離S(芝1200メートル)が組まれているにもかかわらず、マイネルエテルネルとの2頭出しを敢行してきた背景には、“ここでも勝負になる”という計算があってのことだ。
「この時期、準オープンもオープンも、そんなに力差はないからね。ちょっと気の難しいところがあって勝ち上がるのに時間はかかったけど、まだまだ上を目指せる馬だし、差しが決まる流れになればチャンスはあるよ」(西園調教師)
ちなみに西園キュウ舎は、エーシンマックス(佐渡S)→サンレーン(越後S)→ウインガニオン(新潟日報賞)と、目下3週連続で準オープン馬がオープン昇級を決めている。その流れに乗っていけばフルールシチーの大駆け“V4”もあり得ない話ではないはずだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)