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アラハバード(牡 栗東・池江泰寿 父キングカメハメハ、母マトゥラー)
母マトゥラーは現役時代2戦未勝利ながら、ドリームジャーニー(09年有馬記念-GI、09年宝塚記念-GI、06年朝日杯FS-GI)、オルフェーヴル(クラシック三冠、11、13年有馬記念-GI、12年宝塚記念-GI)の4分の3妹にあたる良血。2代母オリエンタルアートの子でGI級の大物はステイゴールドを父に持つ上記の2頭だけだが、デビューした8頭中7頭が勝ち上がっているように、やはり非凡な何かを伝えていることは間違いない。「ディープインパクト×キングカメハメハ」はデニムアンドルビーをはじめ高確率で成功馬を出しているので、その逆配合である本馬の「キングカメハメハ×ディープインパクト」も成功する可能性が高い。Nureyev≒エレクトロアート4×3は好感触だ。芝向きの中距離タイプ。
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エイシンプロング(牝 栗東・野中賢二 父エイシンアポロン、母エイシンチーター)
母エイシンチーターは中央未勝利に終わったものの、その兄弟にマイネルスケルツィ(06年ニュージーランドT-GII、07年京都金杯-GIII)とティアップゴールド(09年ニュージーランドT-GII・2着)がいる。2代母アラデヤはMachiavellian産駒で名門Special牝系に属しており、血統的に高く評価できるので、今後じわじわ血を広げていくかもしれない。父エイシンアポロンはマイルCS(GI)、京王杯2歳S(GII)、富士S(GIII)の勝ち馬で、日本向きの適性があったGiant's Causeway産駒のなかでも最も優れた成績を残した。その母はアイルランドのG2を勝っており、種牡馬として成功する素地はある。本馬の3代父Storm Catと、母の父スペシャルウィークは相性良好。父がNorthern Dancer 4×3・4と少々硬めの配合なので、母が持つHalo 3×4の柔らかさは好ましい。Sadler's Wells≒Fairy Dancer 3×4が鈍重さを伝えなければおもしろい。
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オクラホマ(牡 栗東・石坂正 父ケープブランコ、母フラーテイシャスミス)
半兄ベストウォーリア(父マジェスティックウォリアー)はマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)2連覇など5つのダート重賞を制している名馬。半姉フォンタネットポー(父ダンカーク)は新春S(1600万下)3着の成績がある。母フラーテイシャスミスは繁殖牝馬として非凡な能力を備えている。父ケープブランコは日本軽種馬協会によって購買され、15年から日本で供用されているが、本馬はアメリカ時代の種付けで誕生した産駒。ケープブランコはヨーロッパとアメリカの双方で計5つの芝G1を制した名馬で、11年に米芝牡馬チャンピオンに選出されている。デビューを果たした2世代からはまだこれといった大物は出ていない。日本ではスピード不足で実績がないGalileoの系統だけに、素軽いスピードを伝えられるかどうかは未知数。交配する繁殖牝馬からスピードを補給したいところ。したがって、素軽いスピードを伝えるMr.Greeleyを母の父に持つ本馬は悪くない。また、父ケープブランコが持つAcropolis≒Alycidon≒Queen of Light 6×6・6をChandelier 6×5で継続発展させ、ケープブランコの母Laurel Delightが持つSecretariat≒Sir Gaylord 3×4を継続した配合は高く評価できる。ダート向きの中距離タイプだろう。
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サンタテレサ(牝 栗東・池江泰寿 父ドリームジャーニー、母アビラ)
新馬、水仙賞(500万下)を連勝したアルカサルの全妹で、エルムS(GIII)を勝ったジェベルムーサ(父アグネスタキオン)の半妹。母方の近い世代にデインヒルを持ち、Ribot系のクロスを持つという配合は、ステイゴールドが大物を出すパターンのひとつで、フェノーメノ(13、14年天皇賞・春-GI)、ナカヤマフェスタ(10年宝塚記念-GI、10年凱旋門賞-仏G1・2着)が誕生している。本馬はステイゴールドの息子ドリームジャーニー(09年有馬記念-GI、09年宝塚記念-GI、06年朝日杯FS-GI)を父に持ち、母の父ロックオブジブラルタルはデインヒルの息子で、母はRibot 5×5という配合。上記のパターンを踏襲している。気性的な難しさがなければ期待できそうだ。芝向きの中距離タイプだろう。
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スプリングタイム(牝 栗東・野中賢二 父ストリートセンス、母ヒントオブスプリング)
2代母Cherokee Roseは、スプリントC(英G1)、モーリスドゲスト賞(仏G1)を勝った名スプリンター。これにSeeking the Goldを掛けて誕生したのが母ヒントオブスプリング。初子のTulips(父Pivotal)はパレロワイヤル賞(仏G3・芝1400m)2着という成績がある。日本で誕生したチェリーミルズ(父Invincible Spirit)、アリュージョン(父アドマイヤムーン)はいずれも2勝を挙げている。母の繁殖牝馬としての能力は高い。父ストリートセンスは現役時代、ケンタッキーダービー(米G1)とブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)を双方制した初めての馬で、スウィートリーズン(14年エイコーンS-米G1、14年テストS-米G1、13年スピナウェイS-米G1)をはじめ多くの重賞勝ち馬を出して種牡馬としても成功している。日本ではフリートストリート(13年エルムS-GIII)、ノウレッジ(12年新潟2歳S-GIII・2着)などの持込馬がコンスタントに走っており、日本で種付けをして誕生した現2歳世代からもすでに2頭の勝ち馬が出ている。本馬はMr.Prospector 4×3、Halo≒Drone 5×5、Riverman≒Secretariat 5×4。好ましい配合パターンだ。芝・ダート兼用のマイラーだろう。