夏の重賞回顧第二弾として、今回は小倉記念、札幌記念、そして約40日ぶりの勝利となったサマーチャンピオンの回顧を。小倉記念については、直線で受けた不利に対してユーザーから怒りの質問が続々！　その質問に答える形で、レース中の状況と心境を丁寧に語ってくれました。
(取材・文/不破由妃子)

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あの1勝でいろいろと吹っ切れたわ

──小倉記念、札幌記念、そしてサマーチャンピオンを振り返っていきたいのですが、小倉記念(4着)は、やはり直線の不利が…。

小牧　いや、あの不利がなかったとしても、3着までだったと思う。むしろ、外のベルーフ(ホワイト騎手・2着)のほうが痛かったんちゃうかな。マーティンボロ(藤岡佑騎手・5着)の動きがなければ、ベルーフが1着、内の馬(クランモンタナ1着・和田騎手)が2着で、僕の馬が3着という結果やったと思う。

──ということは、ダコール自体の手応えももうひとつだった？

小牧　うん、4コーナーを回る時点で、もう手応えがあやしかったね。だから、だいぶ前からムチを入れてたでしょう。なんか動きがもうひとつやったなぁ。あとは、やっぱりインを通ってきたほうがいい馬やね。

──小倉記念については、たくさん怒気をはらんだ質問や意見が届いていまして…。あ、小牧さんへの怒りじゃないですよ。

小牧　藤岡でしょ？

──はい。なかでも、「藤岡騎手は、馬が外にヨレているのに右ムチを叩き続けていた。あれはどうなんでしょう？」という質問が多かったです。

小牧　僕も危ないと思ったから、「おーい！」って声を出したんやけどね。確かに立て直さなアカンところやけど、それは本人が一番わかってるでしょう。レース後、すぐに「すみませんでした」って謝りにきたからね。

──「ああいうときは、お互い様で許し合えるのでしょうか？　腹は立ちませんか？」という質問も。

小牧　お互い様というより、しょうがないよね。わざとやっているわけではないし、自分が加害者になることもあるわけで。もちろん、その時々で腹は立つよ。でも、相手は謝ってきてるんやし、それ以上、怒りを引きずることはない。

──小牧さん以上に、腹が立っているユーザーが多いようで…。

小牧　僕とダコールを応援してくれていたんでしょう。もちろん、不利はないに越したことはないけど、そういうのも含めて競馬やからね。さっきも言ったように、ダコールの手応えももうひとつやったし、あれで手応えが抜群やったら、もっと早くに並び掛けていただろうし、そうなれば不利を受けることもなかったと思うしね。いずれにしても、次は乗り替わりやわ。

──新潟記念は、デムーロ騎手だそうですね。

小牧　そうそう。残念やけど、いっぽうで、よう乗ったという思いもある。

──7戦でコンビを組んで、掲示板を外したのは昨年の新潟記念だけ(6着)。もともと堅実な馬ではありましたが、小牧さんだとより安定感が増すというのか、前走以外は人気以上の着順にきてましたよね。

小牧　うん、頑張ってくれたよね。まぁ、ほかの人が乗っているのを見るのも勉強やから。どんな競馬をするのか、注目してますわ。

──続いては、サマーチャンピオン(8月18日・佐賀　グレイスフルリープ1着)。小牧さんにとって、約40日ぶりの勝利でしたね。

小牧　なんかあの1勝でいろいろ吹っ切れたわ。勝つときは勝つんだと改めて思えたから。

──しかも圧勝でした。

小牧　ハナに行きたい馬が多かったから、あんなにすんなり先手を取れるとは思ってなかったけど、なんせスタートが良かったから。あの馬はダートスタートのほうがいいわ。僕にとってもうれしい1勝やったし、馬も一層楽しみになった。次は9月15日に浦和(テレ玉杯オーバルスプリント)に行くよ。

──最後に札幌記念(ヒットザターゲット10着)。いろいろと条件が噛み合いませんでしたね。

小牧　最大の敗因は馬場やね。ただでさえ、思った以上に悪かったんやけど、そこに雨まで降ってきたから。あとはやっぱり5番から内じゃないと…。それでも馬と馬のあいだに入って、うまいこと乗れたつもりやけど。

──確かに、内を取るのは難しい並びでしたよね。かといって、後方まで下げるわけにもいきませんし。

小牧　うん。目黒記念のときは、10番枠からたまたまポンと内に入れたけど、いつもそううまくはいかないからね。そういえば、5番より外の枠で3着以内に入ったのって、この前の目黒記念が未勝利戦以来だったらしいわ。

──筋金入りの内好きですね(笑)。

小牧　ホンマに(笑)。いろいろと噛み合わないことには難しいねぇ。ただ、馬は本当に元気で、去年よりずっと調子が良さそうやった。

──まだまだやってくれそうですね。この夏は52キロの騎乗が続きましたが、小牧さんご自身の体調はいかがですか？

小牧　確かに52キロが続いたのはつらかったけど、それでも乗り切ったからね。僕自身、リズムはいつも悪くないし、体調もすごくいいよ。夏はもうひとつ勝ち切れんレースが多かったから、秋はもっともっと頑張りたいね。