今週の追い切り特報もお見逃しなく!
6週間の夏競馬もいよいよ今週でフィナーレ。私は仕事で小倉競馬場に2度足を運び、最終週はこれまた仕事で札幌競馬場へ行くことになっています。これが終わると、また1年は夏競馬とお別れだと思うと少し寂しいところですが、栗東にはG1ホースが続々と帰厩しており、秋競馬を待ちわびています。夏には夏の、秋には秋の良さがあるのが競馬。そして、私の役割は皆様の馬券検討に役立つ予想やコラムを提供することですよね。
各競馬場で重賞が行われる今週ですが、ここでは新潟記念と小倉2歳Sを取り上げます。開催通じて、雨の影響が少なかった新潟競馬場はともかく、先週日曜日に雨の影響を受けた小倉競馬場がどんな馬場状態になっているのか。これは正直、11日目のレースを見てみないことには判断できませんが、新潟記念に関しては、過去の優勝馬から共通する調教内容があるので、それに該当する馬を本命評価にするつもりです。
【新潟記念/ダコール】
前走後は一旦、大山ヒルズに放牧に出されており、栗東へ帰厩したのは8月24日。確かに栗東から小倉競馬場の道中にある場所ですから、そこへ立ち寄ってリフレッシュするというのはあって不思議ではないパターン。ただ、戻ってきたのがレースの10日前というのは非常に珍しいケース、と書きたかったのですが、実は2014年の新潟記念も同じパターンで放牧、入厩を行っています。
ただ、当時と違うのは1週前追い切りと日曜追い切りを経て、最終追い切りを行っていること。今年はそれがなく、正味最終追い切りの1本だけ。2014年が12着という結果だったので、今回のように追い切り本数を少なくする方が結果が出るかも知れません。ただ、同じ中3週で重賞を勝った新潟大賞典の時はきっちり1週前追い切りを行っています。最終追い切りの時計も当時より遅くなっており、1週前と最終追いのどちらを見ても、好走時との違いがあるように思います。
【新潟記念/アルバートドック】
松田博資厩舎から転厩して4戦目の前走が重賞制覇。坂路中心だった追い切りパターンをCW中心の追い切りパターンに変更したことも好走要因のひとつだと考えられます。この中間は吉澤ステーブルWESTに放牧へ出されていますが、帰厩してからは前走と同じく坂路とCWを併用しての仕上げとなっています。
そういった意味では前走時と変わりありません。ただ今回は、坂路とCWでの追い切りを交互ではなく、最初の段階で坂路、1週前からはCWでの追い切りというパターンになっています。だからというわけではないのでしょうが、最終追い切りのラスト1Fの伸びが今ひとつ。前走時は◎を打ちましたが、そこまでの雰囲気は伝わってこないというのが個人的な感想です。
最終追い切りのラスト1Fの伸びが今ひとつだったアルバートドック(8月30日撮影)
【新潟記念/ベルーフ】
変わりそうな予感があって、実際に結果が出た前走の小倉記念。小回りで急かされる流れになると、馬も動かざるえない。そんなレースの流れが合うような気がします。その効果があってか、1週前追い切りでは自分から動くような姿勢も見えただけに、ここからは本調子になってくるだろうと思いました。
しかし、シロニイとの最終追い切り。前半をゆったりと入ったこともあり、勝負どころですぐに反応できず、最後の追い比べでは完全に遅れてしまいました。相手はそこそこ攻め駆けするとはいえ、2歳の新馬。この遅れをどのように判断するかですが、これは調子うんぬんではなく、あくまでキャラクターが出ただけだと思います。だから、新潟記念でもスローのヨーイドンになれば能力を発揮できないでしょうし、ハイペースの差し比べになれば、持ってこいの展開となりそうです。
ハイペースの差し比べになれば、持ってこいの展開となりそうなベルーフ(8月31日撮影)
【小倉2歳S/レーヌミノル】
先週の追い切り。24日に1週前追い切りをCWでやっていたはずなのに、25日に坂路で4F53.2秒を出していました。たぶん、24日の追い切りが遅い6F時計だったので、それが理由だろうと思っていましたが、厩舎コメントからその通りでした。この影響がどう出るだろうと思っていましたが、むしろ坂路で2F24.1秒、1F12.1秒をマークする脚力があることを知りました。
最終追い切りは前走時と同じくCWで単走。1週前追い切りがCWでの併せ馬ではなかったことが前走との違い。ここをどのように判断するかですが、最終追い切りの落ち着いた動きを見せられると、あまり影響がないと思ってよいと思います。
最終追い切りでは落ち着いた動きを見せていたレーヌミノル(8月31日撮影)
【小倉2歳S/キョウヘイ】
舞台が小倉芝1200mに替わった前走が強い勝ち方。そもそも新馬戦でも出走メンバー最速の上がりをマークしていたように、しっかりした脚の持ち主。この中間も坂路での追い切りを積み重ねており、調教内容だけを見ると、前走以上に走れそうな雰囲気。
それは最終追い切りからも感じることができ、馬なりで前走よりも時計を詰めています。しかもラスト1Fが最速になるラップ。1週前追い切りでは4F53.7秒と自己ベストを更新する速い時計をマークできていますし、あとはここまでしっかり調教した反動が出たりして、馬体重が減らないことを願います。
ラスト1Fが最速になるラップで前走よりも時計を詰めてきたキョウヘイ(8月30日撮影)
◆次走要注意
・8/27 3歳未勝利【ファラオカズマ】(13人/12着)
パドックでは馬体を大きく見せる、ゆったりとした歩きで見映えしました。その分、1000mには適性が低いだろうと思っていたら、その通りのレースぶり。
3歳未勝利だけに次がラストチャンスになると思いますが、1800mあたりを使ってくれれば、もう少し結果が違ってくるような気がしますが。
[メモ登録用コメント] [芝1600m]最終追い切り坂路でラスト1F最速なら勝ち負け
・8/28 2歳新馬【ヴァナヘイム】(1人/1着)
ここに取り上げるまでもなく、周知の強さですが、やっぱりクラシック路線に乗るだろう馬ですから、取り上げておきます。
最終追い切りではエキストラエンドを上回る脚色でしたから、攻め内容がレース結果に直結するタイプでしょう。よって、今後も最終追い切りの動きには注目です。
[メモ登録用コメント] [芝中距離]角居勝彦厩舎の勝負調教に該当すれば勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・飯豊特別【アルティマブラッド】
クランモンタナの小倉記念制覇で、音無−和田のコンビが定着してくると思いますが、次に再生するのはこの馬。最終追い切りにジョッキーが騎乗して、これだけ動けば相性の良さを感じます。
【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!