“第1回ハンター”友道厩舎 ヴィブロスで決まり/トレセン発秘話
◆第1回の重賞を大の得意にしている友道厩舎
あれは7月に入るか入らないかというタイミングだったと思う。函館に出張していた友道キュウ舎の安田助手が、ひと開催も終わらないうちに、栗東に舞い戻っていたのにビックリ。当人いわく「ヴィブロスが栗東に戻ってきたので、それに合わせて自分も帰ってきたんです」
ヴィクトリアマイル連覇&3歳牝馬3冠オール2着の名牝ヴィルシーナの全妹なのだから、血統的な期待値が高いのはよく分かる。それでも500万下条件の馬のために、函館から即座に帰還するのは「少し大げさな」とその時は思ってしまったものだが…。
復帰戦(中京芝2000メートル)の鮮やかなレースぶりを見せつけられた後はもう納得するばかりだ。直線で追われると他馬とは器が違うと言わんばかりの決め手を使って4馬身差の圧勝。この牝馬限定500万下のためではなく、その先に続く3歳牝馬重賞路線のために戻ってきたというわけだ。
「前回はジョッキー(福永)が後々のことを考えて、道中しっかり我慢して競馬をしてくれたのが良かったですし、勝ちっぷりも強かったですね。春はまだヒョロヒョロでしたけど、数字は変わらなくても、今は中身がもう別馬みたいに変わってますからね。ここも普通に走れば、なんとかなると思っています」(安田助手)
丁寧な口調に隠れてはいるが、発言内容自体はやたらと強気。それだけ今の充実ぶりに自信があるのだろう。
ヴィブロスが出走する土曜(10日)中山メーンの秋華賞トライアル・紫苑S(芝内2000メートル=3着までに優先出走権)は今年から重賞(GIII)に昇格。「第1回紫苑S」として開催されるが、実は友道キュウ舎はこの第1回の重賞を大の得意にしている。
一昨年に新設重賞となった「第1回いちょうS」をクラリティスカイが勝ち、昨年はこれも新設重賞だった「第1回ターコイズS」をシングウィズジョイが制した。ということは、今年の第1回紫苑Sも…。勝ち馬はすでに見えたも同然である。(栗東の坂路野郎・高岡功)