終始一貫して1頭の馬を追い続ける純粋さが報われるのは、嬉しいことです。ここ3年、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、ハイアーゲームと世代の中からピックアップし、そのいずれもに青葉賞からダービーというステップを期待し、願いは一応は叶えられてきました。
しかし、どれもがダービー馬にはなれていません。シンボリクリスエスは、3歳の秋以降に大成功したので、大満足でしたが、次の世代のゼンノロブロイは、なかなかすっきりとした思いにはさせてくれませんでした。
神戸新聞杯で大喜びしたのもつかの間、菊花賞の大敗。せっかく第一線に躍進できるチャンスをものにできなかった痛手を背負ったまま、今年を迎えました。
春の天皇賞2着で、ロブロイの泣き所を見せつけられた思いになっていたのですが、もちろん、それで気持ちが揺らいだのではありません。どこか物足りない、その原因を見つめながらも、京都大賞典2着には目をつぶって、秋の天皇賞に臨みました。東京コースなら、ペリエ騎手騎乗なら、2000mならと、いくつもの強調材料があり、G1挑戦6度目にしての初G1制覇。秋のチャンピオンロードの主役に躍り出てくれました。
これでジャパンCも有馬記念も、この馬を中心に考えられます。自分にとって基準になる馬がはっきりしていることは、レースを考える場合有利です。これに、ハイアーゲームが続いていってくれるかどうか。それに、次なる新世代の期待馬を決める楽しみが待っています。1年に1頭、この方針がどこまで続けていかれるかです。
それにしても、ここぞというときの外国人騎手の存在が目立ちすぎます。これが習慣となってしまうのは淋しいことで、それぞれがお手馬をしっかりつかみ、外圧に負けないようになってほしいと願いたくなります。普段見ている騎手には、陽の目を見てほしいのです。