怪物牝馬ミスエルテだけじゃない!注目の2歳馬2頭/吉田竜作マル秘週報
◆勝ち馬に匹敵するインパクト
「新馬勝ち2歳総点検」でも最上級の評価をされている通り、24日の阪神芝外1600メートル(牝)を勝ち上がったミスエルテ(池江)はとんでもない化け物…では牝馬だけに失礼か。怪物と言われた父フランケルの名に恥じない頂点を意識できる存在としていいのではないか。
馬群の中ではやや窮屈な格好で追走していたが、勝負どころでペースが上がると伸びのあるフォームへと変化。懸命に追う他馬を尻目に馬なりのままグングンと加速していく。鞍上の川田はステッキはおろか、そのまま手綱すら動かさずにゴールを駆け抜けた。
池江調教師はもちろん、吉田俊介、吉田勝己両氏ほか、検量室で待ち受けていた関係者は揃って満面の笑み。「1週前の追い切りにまたがった時の川田の表情を見てわかったよ。相当な能力があるのは」と池江調教師。対して川田は「たどり着くべきところに行ければ」。間違いなくクラシックの頂点を意識した発言だろう。
今後はGIIIファンタジーS(11月5日=京都芝外1400メートル)→GI阪神JF(12月11日=阪神芝外1600メートル)という“王道ローテ”を歩む。可能な方はぜひライブでその走りを見てほしい。それほどの逸材だ。
このミスエルテを筆頭に見どころ満載の4回阪神開催の2歳戦。最終週の注目は未勝利戦となろうか。新馬戦2着のカデナ(牡・中竹)とスワーヴリチャード(牡・庄野)がどのレースを選択するのか。動向が気になって取材したところ、カデナは土曜(10月1日)の芝外1800メートル、スワーヴリチャードは日曜(2日)の芝内2000メートルへ向かう予定だとか。
「新馬(芝外1600メートル)も直線で真っすぐ走れていれば勝っていてもおかしくなかった。使って良くなっているし、次は大丈夫じゃないですか」とはカデナの船曳助手。
一方、スワーヴリチャードは跳びが大きい馬だけに新馬戦の時から内回りがどうかと思っていたのだが、庄野調教師は「そういうことは関係ない。次は勝たないと」と語気を強めた。
ともに新馬戦で敗れはしたが、勝ち馬に匹敵するインパクトを残した素質馬たち。特に「勝ったら東スポ杯ですか?」の質問に「そうなるかなあ」と答えてくれた庄野調教師のスワーヴリチャードにはぜひ勝ち上がってもらって、出世レースのGIII東京スポーツ杯2歳S(11月19日=東京芝1800メートル)へと駒を進めてほしい。