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【ユーザー質問】祐言実行Q&A『育成牧場で働く方から“若馬”に関する質問』

  • 2016年10月11日(火) 18時01分
祐言実行

▲秋華賞はヴィブロスに騎乗、2着だった姉ヴィルシーナの無念を晴らす(写真は未勝利戦優勝時、鞍上はM.デムーロ騎手) (C)netkeiba.com


ハミを抜くことを覚えさせるのは、大事なことでしょうか?


 今週の秋華賞は、シンハライトの回避で一気に混戦となった。自分は紫苑S2着のヴィブロスで挑むが、俄然、チャンスが増したのは間違いない。

 前走の紫苑Sは、勝負どころで大きな不利。さぁここからという場面だっただけに、あのアクシデントは痛かった。が、そんな展開にも怯むことなく、最後は本当に良く差を詰めてくれた。中京で500万を勝ったときから素質の高さは感じていたが、秋になってさらに体は逞しくなり、高いレベルでも通用する馬体に成長していた。

 ご存じの通り、ヴィルシーナの全妹、シュヴァルグランの半妹と、自分にとって馴染みのある血統。シュヴァルグラン同様、佐々木オーナーと友道調教師の期待に結果で応えたいという思いが強い。

 ちなみに、ローズSで騎乗したアットザシーサイド(5着)も、馬は本当に良くなっていた。春はスタート後、頭が上がってフワフワするところがあり、道中も思うように進んでいかなかったぶん、ある程度距離にも対応できていた。が、成長に伴っていいフォームで走れるようになり、前進気勢が強まった結果、ローズSのように馬なりで2番手にいけるまでに。

 秋華賞は回避となったが、この変化自体は馬にとってとてもいいこと。適距離での走りが楽しみな1頭である。



 先日、育成牧場で働く方から、このコラム宛に長文の質問が届いた。かなり専門的な内容だが、自分ももともと興味があった内容だけに、今回ここで取り上げたいと思う。

Q. 1歳馬の騎乗馴致から2歳馬の育成を行っている者です。福永さんのこのコラムやレースでの騎乗は大変参考になり、良く拝見しています。1歳馬や2歳馬の育成について、少々専門的な質問になるのですが、自分は育成段階の馬は当たり具合いの強弱はあれど、常にハミが馬の口に当たっている感触を保ちながら騎乗しています。

 それは、馬の操作性や、ハミとトモの繋がりをしっかりと作るために、「この方法が良いのではないか?」と考えてのことです。ただ、周りの騎乗者を見ると、手網をぶん投げるというか、完全にハミを外した状態で乗っている姿をよく見かけます。

 自分は、ハミを抜く事を覚えさせるのは、馬がハミをしっかり取って走りに集中してくれるようになった後に覚えさせればいいという考えなのですが、ジョッキー目線からすると、若馬はどういった状態できてくれることが理想ですか?

 坂路があれば、ある程度、手網を伸して騎乗しても問題はないとは思うのですが、ウチの育成場にはフラットなトラックコースしかないので、しっかりと馬に体を使わせるには騎乗者の技術力が必要とされると思います。そういった状況で、若駒のうちからハミを抜くことを覚えさせるのは、大事なことでしょうか?

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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