世代のトップクラスに位置
秋華賞は2000m。春の二冠のちょうど中間の距離だが、どちらかというなら、桜花賞の力関係が投影されることが多い。同じ関西圏のレースで、長距離戦ではないからか。ずっと以前からの傾向である。
そういう意味では、桜花賞をレコードと0秒1差で勝った
ジュエラーの、ローズSからの巻き返しを期待していいが、今年はオークスのレベルも非常に高かった。2分25秒0は史上2位の快時計である。桜花賞でジュエラーと微差2着のシンハライトが差し切り、小差でチェッキーノ、
ビッシュ。
当時4戦目で、厳しい展開を坂上で先頭に立ったビッシュは、結果は勝ち気にはやった形の0秒1差の3着だから、シンハライトとの能力差はごくわずか。
ということは、ジュエラーとも差はごく小さい。ジュエラー、シンハライト、もう1頭メジャーエンブレムを頂点とする勢力図には、今回の出走馬ではビッシュ、
カイザーバル、
デンコウアンジュ、
ヴィブロス、
パールコードなどが差なく続いている。
シンハライトが欠けたから、代わって押し出された人気ではなく、オークスの内容から世代のトップクラスに位置するとみて、ビッシュから入りたい。JRA入り後のG1計5勝をすべて牝馬で記録する戸崎圭太騎手にぴったりの、自在でありながらシャープな切れを持つ小型馬である。同じディープインパクト産駒では、430キロ前後で快走しているミッキークイーンに似たタイプか。
母方は、底力十分の長中距離系で、数字より大きくみせる馬体が初の関西遠征で410キロ前後まで細化したりしない限り、どこからでもスパートできる自在性が、内回りで平坦の直線でフルに生きるはずである。流れに注文はつかない。
前回の先行策がここで生きてきそうなジュエラーは、ワンカラットの下だが、あれは種牡馬ファルブラヴの不思議な影響で、もともとは距離不安なしの牝系にヴィクトワールピサ。距離はマイルより2000mの方が合っている。
穴馬は、飛び抜けて素晴らしい動きを示した
エンジェルフェイスの変わり身。オークスも、紫苑Sも冴えずに評価ガタ落ちだが、先行型だけに自分のリズムを欠いた時の凡走は仕方ない。この枠なら、単騎マイペースもありえる。