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どこからでもスパートできる自在性/秋華賞

  • 2016年10月15日(土) 18時00分


世代のトップクラスに位置

 秋華賞は2000m。春の二冠のちょうど中間の距離だが、どちらかというなら、桜花賞の力関係が投影されることが多い。同じ関西圏のレースで、長距離戦ではないからか。ずっと以前からの傾向である。

 そういう意味では、桜花賞をレコードと0秒1差で勝ったジュエラーの、ローズSからの巻き返しを期待していいが、今年はオークスのレベルも非常に高かった。2分25秒0は史上2位の快時計である。桜花賞でジュエラーと微差2着のシンハライトが差し切り、小差でチェッキーノ、ビッシュ

 当時4戦目で、厳しい展開を坂上で先頭に立ったビッシュは、結果は勝ち気にはやった形の0秒1差の3着だから、シンハライトとの能力差はごくわずか。

 ということは、ジュエラーとも差はごく小さい。ジュエラー、シンハライト、もう1頭メジャーエンブレムを頂点とする勢力図には、今回の出走馬ではビッシュ、カイザーバルデンコウアンジュヴィブロスパールコードなどが差なく続いている。

 シンハライトが欠けたから、代わって押し出された人気ではなく、オークスの内容から世代のトップクラスに位置するとみて、ビッシュから入りたい。JRA入り後のG1計5勝をすべて牝馬で記録する戸崎圭太騎手にぴったりの、自在でありながらシャープな切れを持つ小型馬である。同じディープインパクト産駒では、430キロ前後で快走しているミッキークイーンに似たタイプか。

 母方は、底力十分の長中距離系で、数字より大きくみせる馬体が初の関西遠征で410キロ前後まで細化したりしない限り、どこからでもスパートできる自在性が、内回りで平坦の直線でフルに生きるはずである。流れに注文はつかない。

 前回の先行策がここで生きてきそうなジュエラーは、ワンカラットの下だが、あれは種牡馬ファルブラヴの不思議な影響で、もともとは距離不安なしの牝系にヴィクトワールピサ。距離はマイルより2000mの方が合っている。

 穴馬は、飛び抜けて素晴らしい動きを示したエンジェルフェイスの変わり身。オークスも、紫苑Sも冴えずに評価ガタ落ちだが、先行型だけに自分のリズムを欠いた時の凡走は仕方ない。この枠なら、単騎マイペースもありえる。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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