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トレセン関係者の間で飛び交うサトノダイヤモンドの「ハンパない良化度合い」/トレセン発秘話

  • 2016年10月19日(水) 18時00分


◆明らかに動きが変わっていた

 伏兵のジュンヴァルカンで菊花賞に臨むミルコ・デムーロが、出走メンバーを見渡して、こんなことを漏らした。

「サトノダイヤモンドに、ディーマジェスティ…この2頭はかなり強いね。でも皆、距離は初めて。そこに期待を持ってチャレンジするしかない」

 春の2冠ではリオンディーズに騎乗(皐月賞5着→日本ダービー5着)、ライバル2頭の強さを体感しているだけに、楽な戦いにはならないことを誰よりも分かっているのだろう。

 一流キュウ舎に、一流騎手、そして一流の血統とマイナス要素が全くなく、成績的にもほとんど隙がないサトノダイヤモンドとディーマジェスティ。今年の牡馬3冠最終戦が、この2頭のマッチレースになる可能性は非常に高く、「どっちが強いのか」というジャッジを間違えなければ、馬券は何とかなる。ただし、この“2択”がなかなか難しい。

 M・デムーロが言う通り、全馬が未経験の距離となるだけに、「折り合い」がキーポイントになるのは間違いない。となれば、前哨戦の神戸新聞杯で道中ハミをかむところを見せたサトノダイヤモンドに、隙が生まれそうにも見えるのだが…。

 坂路野郎が思い出さずにいられないのは、ダービーのころに、重賞をいくつも勝ったことがある元ジョッキーで現調教助手から聞いた、こんな発言だ。

「サトノダイヤモンドは折り合いがついているんじゃなくて、道中ハミを取っていないだけ。全体的にフワフワした走りをしているし、まだそれだけ馬ができていないんだろう。そんな段階でそれなりの結果を出せているのは、ルメールだからこその技術があってのもの。馬が走る気になったら、3歳で一番強いのはあの馬だよ」

 春2冠では遊び遊びで真面目に走っておらず、道中で折り合いを欠くくらい行く気を見せた秋初戦の神戸新聞杯こそ、その子供っぽい気性が解消されてきた“兆し”なのだとすれば、むしろ前向きに捉えることもできるのだ。その“仮説”を補足するかのように、この中間、トレセン関係者からはサトノダイヤモンドの「良化度合いがハンパではない」といった類いの声が飛び交っている。

 栗東でトラック、坂路、逍遥馬道と飛び回り、馬を間近に見ることが多い馬場監視の仕事をしている元調教助手はサトノダイヤモンドの1週前追い切りに驚いたという。

「神戸新聞杯の時は正直パッとしなかったけど、今回の追い切りはすごく躍動感があって、明らかに動きが変わっていた。それだけ馬が良くなっているんだろうな」

 実際、追い切りの手綱を取った岩崎助手も相当な良化気配を感じ取ったようで、「ひと叩きして確実に状態が上がってます。休み明けの前走より息遣いが良くなっているし、動きも一段としっかりした感じがありますね。申し分ない状態だと思いますよ」

 今の京都の高速馬場を考えれば、ポジショニングの面でも、ディーマジェスティより前で競馬をするであろうサトノダイヤモンドのほうが一歩リード。今年の菊花賞、坂路野郎の◎は早くもサトノダイヤモンドに決まりかけている次第である。 (栗東の坂路野郎・高岡功)

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