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的場直之調教師(大井・的場騎手の甥)
▲「おじさんが乗って勝ってくれたときは、やっぱりうれしい」(撮影:高橋華代子)
【Q1.騎手・的場文男のスゴイと思うところは?】 競馬に対しては何事にも一生懸命。勝ちたいという気持ちが人一倍強くて、それが60歳まで騎手を続けさせているんでしょうね。どういう馬が入厩しているのかもチェックしていて、そういう部分は今でも積極的だし、常に攻めの姿勢です。あと、いろんな馬に乗ってきているので、癖を読み取って、ズルかったり、集中力のない馬を走らせることはすごいと思います。その方法はおじさん(的場騎手)じゃないとわからないと思うし、みんながマネできないからこそ、あれだけ勝っているんじゃないですかね。
【Q2.人間・的場文男のスゴイと思うところは?】 今でも調教は早く出てきて嫌な顔をしないで自ら乗ろうとするし、馬を降りてからの姿勢も尊敬します。基本的に真面目だし、このモチベーションで60歳までやっているのはすごいです。
【Q3.的場騎手との思い出のエピソードは?】 父の弟がおじさんで、子供の頃からかわいがってもらって食事にも連れていってもらっています。おじさんは仕事でもプライベートでもよくしゃべるし、あのままで何も変わりません。優しくて面倒見もいいし、裏表もありませんね。自分が騎手だったときに一緒にレースで騎乗できたことはうれしかったです。仕事場では身内という気持ちは持たないようにしているんですが、自分が管理する馬でおじさんが乗って勝ってくれたときはやっぱりすごくうれしいです。
【Q4.的場騎手にメッセージ】 あと何年乗れるかわからないですが、怪我をしないように、一年一年頑張ってもらいたいです。今の勢いだとまだ乗ると思いますが(笑)。自分もおじさんに迷惑をかけないように、競馬人としてしっかりやって実績を残したいです。いい意味で刺激をもらっています!
新町充寿マネージャー(的場騎手の騎乗馬管理・大井のバレット業務)
▲「"人が喜んでくれるからがんばるんだ"が口癖です」(撮影:高橋華代子)
【Q1.騎手・的場文男のスゴイと思うところは?】 やっぱり見ての通りで追い込みです。あの追い方は馬とのリズムが崩れると思うんですが、あれが的場さんのリズムなので、教科書通りではないんですよね。動かない馬を動かそうとする気持ちがあるから、今でも乗り馬が回ってくるし、的場さんが乗ってもダメなら、って言われているうちは華だと思います。あと、的場さんはレースのときの体重がだいたい"51.2kg"なんですが、負担重量が55kgと56kgのときは、自分の腰に1kgの鉛をつけて乗っています。小さい鉛250グラムを4枚。自分も騎手時代にやったことがあるんですが結構きつかったので、的場さんにビックリしたし、今そういう騎手は少ないと思います。「馬がつらいだろうから自分で負担する」って言うんですが、じゃ、あの追い方は何なんだろうって思うんですけどね(笑)。
【Q2.人間・的場文男のスゴイと思うところは?】 優しいし、無邪気です。子供みたいで、足に怪我をすれば会う人たちに靴下を脱いで、「ほら見て」って。お尻のおできを見せてきたときには、みんなから「いいから」って言われてました(笑)。だから、あの年になっても自分の子供より年下の騎手たちとも一生懸命じゃれあっているんじゃないかなと。
【Q3.的場騎手との思い出のエピソードは?】 ボンネビルレコードと帝王賞を勝ったときの喜び方は違いましたね。あと、勝ったことのない厩務員さんが初めて勝ったりするとすごく喜んでいるし、「人が喜んでくれるからがんばるんだ」っていうのは口癖です。3年前の桜花賞(浦和)で、イチリュウに乗って優勝したときも、「一番人気の馬を負かしてくる」と言って有言実行だったことも印象に残ってます。「これで負けたら騎手をやめる」って言って勝たないときもありますが(苦笑)。
【Q4.的場騎手にメッセージ】 怪我には気をつけて一緒に頑張りましょう! 記録は、怪我をしないで一つずつ乗っていっての積み重ねだと思うので。
戸崎圭太騎手(JRA所属)
「まだまだ10年、20年やり続けられると思っています」(撮影:編集部)
【Q1.騎手・的場文男のスゴイと思うところは?】 一緒に乗せてもらってた時もすごい人だったんですけど、その時よりも、今の方が的場さんの集中力のすごさを感じます。あとは、手を抜かない。一生懸命さがケタ違いだなっていうのは感じますね。昔からずっとそうだったんでしょうけど、今思えばすごいなっていう。普通では真似できないような人だなっていうところですね。
【Q2.人間・的場文男のスゴイと思うところは?】 やっぱり馬に乗ってる時にすごいっていうのは感じているんですけど、普段は後輩たちにも優しくて、冗談を言われても笑って受け答えをするって言う感じで。"マトちゃん"って呼ばれたり、イジられたりしても、怒ったりしない。そういうところでは心が広い人だなっていうのは感じますね。
【Q3.的場騎手との思い出のエピソードは?】 大井所属で南関の他の競馬場に乗りに行った時は、タクシーが一緒だったりするんですけど、必ず帰りのタクシーの中で奥さんに連絡をして、お風呂の追い炊きとビールを冷蔵庫に入れておいてくれっていうのを必ず何分か前にやるんですよね(笑)。それがすごく印象的です。
【Q4.的場騎手にメッセージ】 還暦おめでとうございます。これだけの年齢になっても、まだトップの中で競馬をやっていけるその精神力のすごさを尊敬してます。まだまだ10年、20年やり続けられると思っているので、ぜひともがんばってください!