モンドキャンノは「一介のスプリンターではない」走り
いや〜、参りました天皇賞(秋)。昨年の毎日王冠と同じ状態だと判断したエイシンヒカリが引っ張るレースなら、残り800mの地点から11秒台のラップになり、残り600mの地点では11秒フラットくらいのラップになると読んでのルージュバック本命。そのラップが1Fずれていたことで、ルージュバックはずっと出るに出れない形。ゴール直前は伸びているものの、長くいい脚を使うタイプだけに仕方ない結果でしょう。
レースは東京競馬場での観戦でしたが、一番印象に残っているのはR.ムーア騎手の返し馬。やる気になりまくっているモーリスを平然とした顔で御すあたりはやっぱり凄いですよね。そうやって手の内に入れているからこそ、思った通りのレースができるといったところでしょうか。
さて、今週はG1こそお休みですが、重賞が4レース。福島開催も始まります。暦も11月になって、もう年末までのカウントダウンみたいな感じですね。なんとかいい年越しができるように、今からきっちり結果を残していきたいところです。
【京王杯2歳S/モンドキャンノ】
函館でのデビュー前は栗東で追い切りを消化していましたが、当時から距離はマイルあたりまでこなしてくれそうなフットワークを見せていました。そして、デビューしてからの走りを見ていても一介のスプリンターではなさそう。これに関しては、今回の1週前追い切りを見て確信したといってもよいと思います。
理由はCWでの6F追い切り。1週前はジューヌエコールを追走する内容、最終追いは先行する内容でしたが、いずれも行きたがる素振りは見せていません。ジョッキーが乗っても調教助手が乗ってもそれは同じ。レースに行くとスイッチが入るタイプかも知れませんが、少なくともトレセンでのコントロールは利いています。東京競馬場は最後の直線が長いので、最終追いのように後ろを待って追い出すという動作が確認できたことはレースで大きなプラスとなるはずです。
後ろを待って追い出すという動作が確認できたことは大きなプラスとなるモンドキャンノ(11月2日撮影)
【ファンタジーS/ミスエルテ】
デビュー戦の最終追い切りはDP。CWや坂路で最終追い切りすることが池江泰寿厩舎だという先入観から、この内容を軽視していましたが、レースでは圧勝。本当に恐れ入りましたって感じです。1週前追い切りはトレセンニュースでお届けしたように申し分ない動きでした。
そして、最終追い切り。CWで4Fから時計を出す内容はいわゆる池江厩舎の得意パターン。ビートフォーセールを追走する内容でしたが、軽く仕掛けられるとグンと伸びて、楽々の先着。4F52.8秒、1F11.8秒は申し分なく、追い切りで煩いところや折り合いが難しいところを見せていないだけに、前走以上の走りを期待したくなるのは当然です。
前走以上の走りを期待したくなるミスエルテ(11月2日撮影・右)
【アルゼンチン共和国杯/シュヴァルグラン】
当初は京都大賞典での復帰も視野に入っていたようですが、前走の疲れが尾を引いた感じで、栗東への帰厩が遅くなりました。だからというわけではないのでしょうが、追い切りのピッチもいきなり速い時計を出すというよりも、スロー気味。もともと派手な動きを見せる馬ではないだけに、中間の状態を見ていて、どう仕上げてくるか注目していました。
ポイントは1週前追い切り。CWで併せ馬を行って、6F84秒くらいの時計を目一杯に追われてマークすること。併せ馬は遅れようが先着しようが構いません。阪神大賞典1着時、天皇賞春3着時はいずれもこの追い切りをこなしていました。ところが、今回は6F87秒とかなり遅い内容。その分、終いがしっかりした動きでしたが、特に休み明けの今回は全体時計にこだわってほしかったところ。シルエットは仕上がり上々ですが、中身に関しては疑問といった今回です。
仕上がり上々ですが、中身に関しては疑問なシュヴァルグラン(11月2日撮影)
【みやこS/ラニ】
ブラジルCは休み明けで追い切り本数が少ないところでの出走。ただ、状態に関しては申し分なく、3歳馬らしい成長を見せての出走だったと思います。ですから、今回が調教不足を叩いて状態が上向くというようなことはないと思っています。しかしながら、2歳時に連闘で500万下を勝っているようにレース間隔を詰めること自体はこの馬にとってプラス。
この中間もEコースでの運動量が半端ではありません。最終追い切りも8Fから時計になっており、間隔が詰まることを心配するのはこの馬にとってナンセンス。道中をスムーズに捌けないことには能力を発揮できない不器用さは残っているものの、ペースが速くなるレース展開は大歓迎。この距離では展開の条件は必須でしょうが、状態や能力はここで勝ち負けの存在だと思います。
中間もEコースでの運動量が半端ではないラニ(11月2日撮影)
【みやこS/アスカノロマン】
個人的には初重賞制覇を遂げた東海Sで本命を打った馬だけに、その見極めについてしっかり把握できているつもりでしたが、フェブラリーS以降は追い切りで受けた印象は調教内容全体を分析して軽視しても好走されることが続き、相性の悪い馬へと変わってしまっています。
ただ、前走の南部杯は中間の追い切り内容からも軽視で正解。そして今回は2014年2月以来のコンビとなる和田竜二騎手に乗り替わり。10月26日は予定以上に速い時計になるなど、その元気の良さは目立っています。ただ、東海Sの時は1週前、全体時計は速くともラスト1ハロンが止まるような調教が活きて最終追い切りでは力強さのある動きができたと思います。今回はそれを感じないだけに、予想する上での印にはかなり困りそうです。
予定以上に速い時計になるなど、元気の良さは目立っているアスカノロマン(11月2日撮影)
◆次走要注意
・10/29 神無月S【ビッグリバティ】(10人/8着)
ロスのないレースを心掛けて、後ろから末脚を伸ばしましたが、前も止まらない展開で8着が精一杯。しかし、上がり3Fはメンバー中3位ですし、テレビ静岡賞と比較して内容が優秀だったことは明らか。
次走、東京ダート1400mで内枠を引いて、柴山雄一騎手が騎乗。最終追い切りを美浦坂路でラスト1Fが最速になるラップを踏んでいれば、次も狙ってみたいと思います。
[メモ登録用コメント] [東京ダート1400]最終追い切りで坂路ラスト1F最速ラップに該当すれば勝ち負け
・10/30 2歳未勝利【タルガ】(10人/4着)
スタートして先行を試みるも他が速くて中団からのレース。しかし、結果的に無理してでも先行していれば、最後まで脚を使えたはず。
追い切りでの動きを見ていても、能力があることは間違いないので、早目に脚を使う展開に持っていくことが勝利への近道でしょう。
[メモ登録用コメント] [ダート1800]調教タイプが一杯平均なら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・百日草特別【アドマイヤミヤビ】
最終追い切りは栗東坂路で4F57.7秒。この数字を見ると、輸送が心配な牝馬だけに馬体重が心配なんてことになるかも知れません。しかし、1週前追い切りでは古馬1000万下を相手に引っ張りきりの手応えで同入。ここでしっかり時計的な負荷をかけていることを思えば、全く問題ありません。
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