スマートフォン版へ

牡馬相手の好走+上位人気、の信頼性

  • 2016年11月08日(火) 12時00分


やはり牡馬相手の好走歴というのは大事

 エリザベス女王杯といえば、思い出すのが09年の大波乱。11番人気クィーンスプマンテが勝ち、12番人気テイエムプリキュアが2着。1番人気ブエナビスタは3着止まりで、馬連10万馬券、3連単は154万馬券となった。

 あの波乱は展開が作ったもの、という認識が一般的だろうが、後付けでよければあの馬券を当てる根拠は作れる。それは「牡馬相手に好走歴があった」というものだ。クィーンスプマンテは8月にみなみ北海道Sで勝っており、テイエムプリキュアは1月に日経新春杯を勝っていた。ブエナビスタは当時3歳だが、札幌記念で2着している。

 ちなみにこの09年、「同年に牡馬を相手に芝の古馬オープン戦で3着以内していた馬」は、この3頭のほかにカワカミプリンセス(産経大阪杯3着→エリザベス女王杯では5番人気9着)しかいなかった。

 やはり牡馬相手の好走歴というのは大事なのかもしれないと思うが、より長い期間で見てみると、クィーンスプマンテらのような人気薄激走馬を見つけるよりも、上位人気馬の峻別に役立ちそうな気もする。先述した「同年に牡馬を相手に芝の古馬オープン戦で3着以内していた馬」で、過去10年エリザベス女王杯で5番人気以下になりつつ馬券に絡んだのは、実は09年の2頭しかいない。着度数でいうと[1-1-0-20]だ。反対に4番人気以内に推されていた馬は[1-5-3-2]。1頭(14年ラキシス)しか勝っていないので単回収率は61%となるが、複回収率は131%。なにより複勝率81.8%という信頼性は、3連複・3連単を買うファンにとってはありがたい。

 今年の該当馬はやや多く、50音順でウインプリメーラ、クイーンズリング、タッチングスピーチ、ヒルノマテーラ、マリアライトの5頭。ただ4番人気以内となるとさらに限られてくる。その枠内に入ってくる馬は、3連系の馬券では逆らえない存在ということになる。

【予想】須田鷹雄の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング