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ダーレー・ジャパン杯門別ポニーレース

  • 2016年11月09日(水) 18時00分
門別ポニーレース関係者記念撮影

門別ポニーレース関係者記念撮影


こうしたイベントはもっとあっても良い

 川崎競馬場にてJBC競走が実施された11月3日(木)、ここ門別競馬場でも「馬の文化祭」と称するイベントがいくつも行なわれた。

 晴天に恵まれた川崎にはかなり多くのファンが来場したとのことで、映像で見ていても絶好の観戦日和らしい場内の様子が伝わってきて羨ましく感じるほどであったが、こちらはすでに一足早く、晩秋から初冬へと季節が移りつつある。この日も、例年よりずっと寒い気温に加えて、あいにくの雨にたたられ、散々なコンディションとなってしまった。

 そんな中で行なわれた「馬の文化祭」イベントのひとつが、第1レースの前に実施された「ダーレー・ジャパン杯門別ポニーレース」である。

 日高町に本拠地を持つダーレー・ジャパンがスポンサーとなり、近隣の町でポニーレースの経験者に声をかけ、今回は6騎が参加することになった。

 出走メンバーは以下の通り。
1 佐藤翔馬君(小学校6年生) 騎乗馬ポケット*ハンデ100m
2 泉林太朗君(中学校1年生) 騎乗馬マザコン*ハンデ100m
3 村上駿斗君(中学校1年生) 騎乗馬ポニフェーブル
4 五十嵐ひなさん(小学校3年生) 騎乗馬レグルス
5 松田瑞紀さん(中学校1年生) 騎乗馬パトラッシュ
6 川島洋哉君(中学校1年生) 騎乗馬ウーブ

 スターターを務めるのは矢野朱莉さん(小学校4年生)。1枠佐藤翔馬君は川崎市から遠征してきている。他のメンバーは全員地元の子供たちだ。距離は直線300m。スタートは11時40分である。

 競馬場に着いたのは午前11時15分くらいのこと。ちょうどスタンドから見ると向こう正面左手奥の1200mスタート地点あたりに、ポニーが降ろされているのが確認できた。車を降りた瞬間に冷たい雨がザーザーと降り注いでくる。気温がかなり下がっており、雨粒に雪が混じり始めていた。完全にみぞれになっていて、だんだんと雪の粒が大きくなってきた。

 ポニーたちのそばに行ってみると、すでに6騎は馬装を終えた状態で、騎乗したまま係員に引かれてスタンド前に移動し始めた。見たところ、主催者側の大人はおらず、現場を仕切る人がいない様子であった。

 レースの時間が近づいてきた。ゴール前にて輪乗りの態勢で、各馬が馬場の中を大きく回っている。付き添う大人が各馬を引き、やがてスタート位置まで移動し始めた。場内アナウンスが流れる。スタンド内には早くから来場したファンの姿がポツリポツリと見えたが、あいにくの天候なので、外に出てくる人は少ない。

 手がかじかんでくるほどの気温であった。推定1度-2度。辛うじてプラスになっているというくらいの悪条件である。レースが近づくにつれてみぞれが完全に雪になってしまっていた。

 馬場はやや重。スタートが合わずにやや手間取ったが、何とか各馬が無事に発馬した。引き手がタイミングを合わせて一斉に手綱を離す方式なので、揃えるのが難しいのである。

 レースは内外に分かれる展開になり、馬場の中ほどから外目を進むのは2番泉君とマザコン。内埒沿いには1番佐藤君ポケットを先頭に、5番松田さんパトラッシュ、6番川島君ウーブなどが続く。五十嵐さんレグルスと村上君ポニフェーブルは後ろから追いかける展開だ。

 単騎でまっすぐコースを進んできた泉君マザコンが、そのまま逃げ切る形で先頭ゴールイン。その後は僅かの差で川島君ウーブ、佐藤君ポケット、松田さんパトラッシュが続けてゴール板を駆け抜けた。5着に五十嵐さんレグルス、6着村上君ポニフェーブルという結果であった。

1着泉林太朗君とマザコン

1着泉林太朗君とマザコン

2着〜4着ゴール前

2着〜4着ゴール前

 落馬も故障もなく、全馬無事にゴールできたのは何よりであった。子供たちとポニーは普段レースに出ていないので、こういうイベントの時に怖いのはアクシデントである。

5着村上駿斗君とポニフェーブル

5着村上駿斗君とポニフェーブル

6着五十嵐ひなさんとレグルス

6着五十嵐ひなさんとレグルス

 レース後は、スタンド内に移動し、表彰式が行われた。優勝した泉林太朗君は、「将来は騎手になりたいです」と力強く語っていた。またダーレー・ジャパンからは出走した6人とスターターの矢野さんへ記念品が贈られた。天候に恵まれなかったことが何より残念だが、こうしたイベントはもっとあっても良い。

優勝した泉林太朗君

優勝した泉林太朗君

門別ポニーレース口取り

門別ポニーレース口取り

 門別競馬場は生産地にある唯一の競馬場で、日高管内にはポニーレース経験者も少なくない。毎年ジョッキーベイビーズ北海道予選は浦河にて開催される(7月末日の浦河競馬祭)ものの、日高ではそれ以外にせっかくの騎乗技術をお披露目できるチャンスがなく、何とも惜しく感じる。将来、競馬の道に進みたいという子供たちを育成する上でも、こういう機会をもっとたくさん作るべきであろう。

 できることならもう少し暖かい時期に開催してもらえたらとも思う。11月では、もう北海道は戸外でのイベントにはかなり厳しい季節になっており、だいいち騎乗する子供たちがやや気の毒である。晴れていてもこの時期には気温が10度を割り込む。できれば、夏の時期に企画して欲しいところだ。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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