血気盛んな7歳 サンライズの大駆けが怖い/トレセン発秘話
◆京王杯SCの決め手を再現できれば
先日のJBCクラシックで2着と底力を見せたホッコータルマエ。すでに年内いっぱいでの引退が決まっている馬だが、パドックで見せたビルドアップされた姿は、管理する西浦調教師をして「今までで一番良く見えた」そうだ。
「まだ馬は成長しているんだな。本当は引退させるのがもったいないぐらい。でも種を残すという、もうひとつの大きな仕事が待っているからね。レースで力を使い果たしてから種牡馬入りするより、余力を残した状態で次のステージにいくのが理想だから」
3歳夏にレパードSを制するなど、早期から活躍しながら、7歳秋となった今もなお、馬は成長中。その“動力源”は「強い精神力にある」と西浦師は言う。かつて佐々木調教師からも「年を取っても気持ちさえなえなければ、ポテンシャルをある程度維持できる」と聞いたことがある。まさにそれを体現しているのが、今のホッコータルマエなのだろう。
日曜のマイルCSに挑むサンライズメジャーもホッコータルマエと同じ7歳ながら今なお、血気盛んな気持ちを持っている“若きベテラン”だ。
「年齢的なものは一切感じない。前走(スワンS13着)? 放牧から戻ってきた時の状態が緩過ぎた。道中リキんでしまったのも、そういう状態だったからということでしょう」とは調教パートナーの樋口助手。「もともとが使って良くなる馬。実戦を叩いたことで、歩様、踏み込み、中身…いろんな面がかなり変わってきた。京王杯(SC2着)の脚を見れば、ここでもそうヒケは取らない」と強気に構える。
確かに京王杯SCでは、ここで1番人気に支持されようかというサトノアラジンとわずか0秒2差。上がりは32秒4で最速タイを分け合った。あの決め手を再現できれば大駆けは十分あり得る。
実にメンバー中、半数近い8頭が7歳以上という今年のマイルCS。中でも一番怖い“熟年馬”は、このサンライズメジャーではないかと、坂路野郎はにらんでいる次第である。(栗東の坂路野郎・高岡功)