今回はここ2週のGI回顧と裁決について…です
今回は、ここ2週のGI回顧です。一発を狙った小牧騎手でしたが、マイルCSのダコールは14着、ジャパンCのヒットザターゲットは15着と、どちらも残念な結果に。改めてそれぞれのレースを振り返りつつ、敗因を語ってくれました。また、マイルCSでは、ゴール前で大きな不利も。現行の裁決ルールについては、小牧騎手も思うところがあるようで…。
(取材・文/不破由妃子)
裁決のルールは、もうちょっと考えてもらいたいね
──遠征でお疲れのところスミマセン。今日はジャパンCとマイルCSの回顧を伺おうかと思っていまして。
小牧 大丈夫、疲れてないよ。ジャパンCのあとは、いつも寄ってるオイスターバーに行って、カキをしこたま食べて帰りましたわ。
──そうでしたか(笑)。レースは残念な結果ではありましたが…。
小牧 そうやねぇ。でも、今回はもうしょうがないね。
──枠順がまた7枠13番と外枠で。なかなか希望の枠が当たりませんね。
小牧 うん。でもまぁ、確かに枠順もあるけど、ジャパンCは完全に前の流れになってしまったからね。内は取るには取れたけど、外枠からだとどうしても後ろに下げなアカンし、かといって、押していったところで進んでいく馬じゃないからね。着順が着順やから、どう見てもうまいこと乗ったとは言われへん。
──ヒットザターゲットは、相変わらず落ち着いていましたね。パドックでも一番ゆったり歩いていたし、貫録すら感じました。
小牧 馬はすごく調子が良かったよ。パドックでも落ち着いているというか、大人しいというか、もともとあの馬は周りをまったく気にせんからね。道中の手応えも良かった。ただ、あの流れではどうしても…。やっぱりGIでは条件が揃わんと厳しいね。応援してくれた人には本当に申し訳ないけど、僕自身はジャパンCのあの雰囲気を楽しみましたわ。ものすごい数のお客さんがいてね。あの舞台に立てるだけでも、ジョッキーとしては嬉しいもんやで。
──続いてはマイルCSのダコールですが、やはり久々のマイルでいきなりGIの流れは厳しかったようですね。
小牧 うん、そうやね。なんせ周りはその路線のベテランばかりやから。促してもスピードに乗っていかんかった。
──前走の新潟記念もそうでしたが、スタートも二の脚がつかない感じで。
小牧 そうそう。なんせ2000mでも後ろから行くような馬やからね。久々のマイルで、しかもGIやから、流れの違いに馬がビックリしてたような感じやった。脚がタマっていないから、直線も伸びる気配がなかったし。なんや前がゴチャゴチャしてるなぁと思いながら、後ろから見てましたわ。浜中がゴール前でねぇ…。
──本当に危ないシーンでした。誰も落ちなかったことだけが救いです。
小牧 ホンマやねぇ。まぁ今の裁決については、ちょっと考えてもらいたいね。
──小牧さんもおかしいと思いましたか?
小牧 おかしいというか、世界基準を採用している以上、仕方がないのかもしれないけど、なんか昔のほうが良かったなぁと思ったり。誰かがひっくり返ったら降着になるのかといえば、そうでもないみたいやしね。昔だったら、あれは絶対に降着やで。そのほうが気持ちがスッキリするんちゃうかなと思うけどなぁ。結局は、ジョッキーだけが休みになって。
──小牧さんから見ても、あの瞬間はやはり「危ない!」と思いましたか?
小牧 思った、思った。ゴチャゴチャ! ってなって、ましてやゴール前だったからね。今の基準では仕方がないのかもしれんけど、なんかスッキリせんね。もちろん、浜中は悪いよ。ただ、ゴール前で勝ち負けになったら誰しも必要以上に気持ちが入ってしまう。今回の騎乗停止は当然としても、同じジョッキーとして気持ちだけはわかるね。それにしても、誰もケガをせんでよかったよ。
──本当ですね。さて、今週日曜日のタンザナイトSには、ミッキーラブソングが登録しています。去年僅差の2着だった舞台ですから、今年も大いにチャンスありです。
小牧 うん。オープン特別やし、僕も楽しみです。僕自身、なんや勝ち星に見放されているけど、こういうときこそ踏ん張って、なんとか勝ちを獲りにいきたいね。でもこれだけ勝てないとなぁ、なんか勝ち方を忘れてしまった(笑)。
これだけ勝てないとなぁ、なんか勝ち方を忘れてしまった(笑)
──小牧さん、何をおっしゃいますか!
小牧 誰か教えてや(笑)。まぁそれは冗談としても、これまで園田も合わせて4000勝以上しているジョッキーなのに、1か月勝たれへんとこんな感じやねんな。誰しもそうやと思うけど、どのレースでもいいから早くひとつ勝ちたいです。