◆ホープフルSを勝ったら逆転も
14日に行われた全日本2歳優駿は、兵庫ジュニアグランプリを制していたホッカイドウ競馬のローズジュレップが3着。中央馬2頭には先着されたものの、4着馬には4馬身という決定的な差をつけた。兵庫ジュニアグランプリで対戦した馬たちにはさらに大きな差をつけ、あらためてJpnII勝ちの能力を示した。
『交流重賞回顧』では、そのローズジュレップについて、「NARグランプリ・2歳最優秀牡馬はほぼ確定といっていいだろう」と書いてしまったが、いや、待てよ。デビューから2連勝のコスモス(川崎)が、25日の中山・ホープフルSを勝ったら逆転もあるかもしれない。
というわけで今年も残すところあと2週間と少々。このあたりでNARグランプリを展望してみたい。
2歳牡馬については上記のとおり。2歳牝馬は、エーデルワイス賞の2着馬アップトゥユーがその後に川崎・ローレル賞を勝ち、同3着馬ピンクドッグウッドはフルールCを勝利、同4着馬オーブスプリングはフローラルC勝ちと、それぞれに重賞タイトルがある。この3頭に、金沢で無傷の5連勝というヤマミダンスを加えた4頭が大晦日の東京2歳優駿牝馬で直接対決となりそうで、その結果次第ということになるだろう。
3歳牡馬は混戦。東京ダービーを制したバルダッサーレは、JpnIのジャパンダートダービーで地方最先着の4着だが、その後に勝ち星はない。ダービーグランプリでバルダッサーレを負かしたトロヴァオも、今年はほかに勝ち星がない。となると、古馬相手のJpnII、名古屋グランプリで3着に入り、東海ダービーなど重賞7勝のカツゲキキトキトが評価されそう。ただジャパンダートダービーではバルダッサーレに先着されており(6着)、黒潮盃でも牝馬のミスミランダーの2着に負けていることから、そのあたりはマイナスポイントとなるかもしれない。
3歳牝馬は、JpnIIの関東オークス2着に加え、黒潮盃、ロジータ記念と、全国交流の重賞2勝というミスミランダーが最有力。高知のディアマルコは重賞5勝で、グランダム・ジャパン3歳シーズンで2位、古馬シーズンで3位という活躍。ダートグレードの実績が重視されるなら、やはりミスミランダーだろうか。
4歳以上牡馬は、東京大賞典を残しているとはいえ、登録馬の顔ぶれを見ると地方馬が勝つのはかなり難しく、そうなればJpnIIのさきたま杯勝ちに、JpnIのかしわ記念で2着というソルテで間違いなさそう。さきたま杯を勝っていることで短距離のタイトルに加え、年度代表馬も最有力。
4歳以上牝馬は、JpnIIのレディスプレリュード2着のほかに重賞2勝、グランダム・ジャパン古馬シーズンの女王ともなったトーコーヴィーナスが有力。引退してしまったが、JpnIIIで2着が2度あったブルーチッパーも評価されるだろう。
最優秀ターフ馬は、川崎所属として札幌2歳Sを勝ったトラストが有力だが、ホープフルSでのコスモスの結果待ち。
ばんえいでは、ばんえい記念制覇に加え、岩見沢記念、北見記念も制しているフジダイビクトリーですんなりだろう。
騎手では、勝利回数と賞金収得は、森泰斗騎手(船橋)が2年連続でほぼ確定。勝率では4年連続4度目を狙う山口勲騎手(佐賀)が目下のところトップだが、僅差の永森大智騎手(高知)が逆転という可能性もおおいにある。
調教師では、賞金収得は小久保智調教師(浦和)の3年連続3度目がほぼ確定。勝利回数では、雑賀正光調教師(高知)がここまで唯一の200勝超えで逃げ切り態勢、受賞すれば2年ぶり5度目。勝率では、川西毅調教師(愛知)が12月15日現在39.5%(地方のみ)でダントツ。受賞すれば2年ぶり4度目となる。
また女性騎手では、12月15日現在、67勝の木之前葵騎手(愛知)がトップで、別府真衣騎手(高知)が49勝で追っている。
なお念のため、騎手・調教師の表彰に関しては、<すべての部門に共通して「表彰することが不適当と認められる事由のある者」をあらかじめ除外して選定が行われます。>という但し書きがある。