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AJC杯は高齢馬に注意

  • 2017年01月17日(火) 12時00分


穴を出しているのはベテラン

 重賞予想の際に私がよく出すデータのひとつに、年齢別成績というものがある。一般的には若い世代のほうが好成績となることが多く、たとえばいまの時期の古馬重賞だと4歳や5歳馬が強く、6歳、7歳となるにしたがって成績がいまひとつ、ということが多い。

 JRAの場合、いったんオープンに定着した馬はそうそう簡単に抹消しないので、高齢サイド「近況成績は悪いが頑張っている」というタイプが滞留しやすい。もちろん加齢による衰えもあるので、「若いほうが強い」というのはたいていの重賞に共通した傾向である。問題はその程度と、回収率を伴っているかどうかだ。

 しかしAJC杯は、年齢による成績差が小さい重賞である。過去10年の年齢別成績をご覧いただこう。

年齢 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
4歳 [1-2-1-13] 5.9% 23.5% 18 55
5歳 [3-0-4-20] 11.1% 25.9% 34 52
6歳 [3-1-3-27] 8.8% 20.6% 77 88
7歳 [3-3-1-24] 9.7% 22.6% 64 95
8歳 [0-4-1-10] 0.0% 33.3% 0 111

 さすがに8歳馬は勝っていないが、複勝率でいえばむしろ4〜7歳より上。複回収率も8,7,6歳と高く、4,5歳がともに50%台となっている。

 複勝率そのものの差は小さいので、要するに「若い馬は人気サイドが来ている、ベテランは穴を出している」ということになる。

 この原稿は代替開催の影響で特別登録が出る前に書いているので特定の馬を推すことはできないが、今年のAJC杯も高齢馬に注意しながら予想していきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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