◆スピード能力が乏しいなどということはありえない牝系 今週は種牡馬ハーツクライ(16歳・父サンデーサイレンス)に注目。多くの種牡馬はだいたい脂の乗り切った15〜16歳ごろに、代表産駒となるような活躍馬を送ることが多いが、ハーツクライの現3歳世代は確かに駒がそろっている。
このクイーンCには「1番
トーホウアイレス、7番
ディヴァインハイツ、15番
アドマイヤミヤビ」を出走させ、日曜の共同通信杯には「1番スワーヴリチャード、9番チャロネグロ」が挑戦する。みんな印のつく馬である。
1月21日の若駒Sを勝った牡馬アダムバローズ。昨秋のアルテミスSを勝ち、阪神JFを2着した牝馬リスグラシュー。1月7日の寒竹賞を強烈な内容で勝った牝馬ホウオウパフューム。さらには公営で地方重賞4勝を含め【6-0-0-1】の牝馬ヤマミダンスなどもハーツクライの3歳の手駒であり、これから活躍しそうな馬がそろっている。
同じ2010年に産駒がデビューしたディープインパクト(15歳)には、さまざまな種牡馬成績でかなわないが、ジャスタウェイ、ワンアンドオンリー、ヌーヴォレコルトなどにつづく活躍馬が出現しそうなムードである。
クイーンCは、【2-1-0-0】のアドマイヤミヤビ(母の父クロフネ)に期待したい。前回、東京2000mの百日草特別を上がり33秒5(推定11秒9-10秒8-10秒8)で快勝しているから、今回のマイルより2000m級の方が合っている可能性は否定できないが、阪神1600mの未勝利戦では楽々と上がり33秒7で伸びて完勝している。ハーツクライ産駒には非常に珍しい芦毛馬であり、その芦毛を伝える母の父クロフネは、種牡馬となってからはマイラータイプの父である。
祖母ライクザウインド(父デインヒル)は、ディープインパクトの半姉。スピード能力が乏しいなどということはありえない牝系。桜花賞だけでなく、オークスにも有力馬として挑戦できるようなクイーンCになることを期待したい。
そのディープインパクト産駒の
フローレスマジック(ラキシスなどの下)と、全体時計は平凡でも新馬1600mを圧勝した
コマノレジーナ(父ドリームジャーニー)が相手本線。コマノレジーナは地味そうに映るが、3代母リンデンリリー、祖母リンデンジョオーなので、1月の京成杯を勝った牡馬のクラシック候補コマノインパルス(父バゴ)と、いとこの間柄である、なおかつ、コマノレジーナは大種牡馬サンデーサイレンスの〈3×3〉でもある。
大穴は、前回はフロック勝ちのようにも見えたが、菜の花賞で2勝目を挙げたあと、動きがまるで一変したように感じられる
スズカゼ(父ディープブリランテ)。4代母ロッチバージ(父ファバージ)は皐月賞馬ハードバージの全妹。スターロッチ(有馬記念など9勝)から発展する大変な名牝系の出身馬だった。