◆自分でペースを作れるトップホースが必要 3歳牡馬のクラシック路線は、2歳戦を終えた時点では一応、朝日杯のサトノアレス、ホープフルSのレイデオロが少しリードした形だが、「この馬を中心に展開していくはずだ」となるほどの存在は出現しなかったという見方が強い。
年が変わって「シンザン記念」「京成杯」と進み、さらには路線の主流になる「きさらぎ賞」が重馬場にたたられたこともあり、まだ衆目一致の候補出現とはなっていない。
ここで人気の
スワーヴリチャード、
ムーヴザワールドが中身のあるレースを展開すると、2歳11月の「東スポ杯2歳S」組の評価がかなり高くなるが、果たしてそうなるだろうか?
スワーヴリチャード(父ハーツクライ)に注目したい。今回もムーヴザワールド(父ディープインパクト)と好勝負になりそうだが、オーバーホールの充電と再鍛錬に成功し、身体がシャープになった印象がある。ここまでの3戦は出負けに近いスタートのため、差し、追い込みのレース運びだったが、母の父にアンブライドルズソングを持つ母方はスタミナ兼備のスピード色が濃く、ここまで日本ではサンデーサイレンス系種牡馬との組み合わせで大きな成功をもたらしている。
菊花賞を大レコードのトーホウジャッカル(父スペシャルウィーク)、4歳後半からやや体調を崩しているが素晴らしいスピード能力を秘めるダノンプラチナ(父ディープインパクト)がその代表格であり、若駒Sを逃げ切った同じ3歳のアダムバローズは、父がハーツクライなのでスワーヴリチャードと同配合である。
スワーヴリチャードも、スタートの不安が解消するなら、差し=追い込み型ではなく、先行もできる自在型に成長するのではないかとみられている。スローは見えているだけに、ずっとコンビの四位騎手がどんな位置取りを選択するかに注目したい。有馬記念のハーツクライは先行してディープインパクトを封じたように、ズブいわけでも、スピード能力に乏しいわけでもない。スタミナ不安はないだけに、これだけスローの競馬が多くなったいま、自分でペースを作って先行するレースのできるトップホースが必要だろう。
人気のムーヴザワールド、エアスピネルの全弟
エアウィンザーが当面のライバルだが、ビシッと追ってきた
アサギリジョー(父ジャングルポケット)が最大の伏兵。この馬、明らかに東京向きである。