今回も、質問や報告、さらに目撃情報に至るまで、たくさんのメールが届いています。「敵わないなと思うジョッキーは？」との質問には、「次元が違う」としてアノ外国人ジョッキーの名が。また、最近よくファンに声を掛けられるという小牧騎手。その際の“神対応”ならぬ“迷対応”秘話を語ってくれました。
(取材・文/不破由妃子)

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初めて「コイツには敵わん」と思ったのは…

──今回も質問がたくさんきています。まずは「ジョッキーはみなさん自信を持って乗ってらっしゃると思いますが、日本人騎手、外国人騎手を問わず、百戦錬磨の小牧騎手でも敵わないなと思うジョッキーはいますか？」という質問です。

小牧　ああ、ルメールは巧いね。彼は本当に巧い。この前、安藤(勝己)さんとも「アイツには敵わん」ていうことで意見が一致したわ。同じジョッキーから見ても巧い。巧すぎや。

──小牧さんがそこまでおっしゃるのは珍しいですね。

小牧　そう？ 昔から思ってたで。彼はちょっと次元が違う。抑え方からして何か違うもんね。昔、コスモバルクに乗ったことがあったでしょう(2004年ジャパンC2着)。あんなに難しい馬を簡単に抑え切ってたもんね。その頃から巧いなぁと思って見てたよ。

──そうだったんですね。直線でいうと、どんなに激しく追っていても軸がブレませんよね。

小牧　うん、それもある。あえて口には出さなくても、ほとんどのジョッキーが「自分が一番巧い」と思って乗っているはず。僕もそうやし、むしろそういう気持ちがなければ続けていけへん仕事やからね。そんななかでも、初めて「コイツには敵わん」と思ったのがルメールやわ。日本に移籍してきてからそう思ったわけではなく、ルメールに関しては昔から思ってた。もちろん、「負けへん！」ていう気持ちは常に持ってるけどね。

──やはり身体的な優位性もあるんですかね。

小牧　そうやね。追うという行為に必要なのは腕の力だけではないけど、やっぱり馬が相手やから、ジョッキーにはパワーが必要やねん。外国人ジョッキーは、ただでさえ腕っぷしが強いからね。腕っぷしは大事やで。

──なるほど。続いては、温泉好きの小牧さんに、ファンの方からこんな情報がきています。「いい温泉のご報告です！ それは阪神競馬場の近くの『宝乃湯』です。春の開催の後にいかがでしょうか？」と。ご存じですか？

小牧　ああ、知ってるよ。ついこのあいだ、南井先生が教えてくれた(笑)。僕は行ったことないんやけど、すごくいいらしいね。あのあたりには宝塚温泉とかもあって、前に騎手会の新年会だか忘年会をしたことがあるよ。最近は、別府温泉やら福井のあわら温泉やら、よう行ってるわ。やっぱり温泉は最高やね。そういえば、温泉ソムリエっていう資格があるんだって？

──ありますね。タレントさんとかも、けっこう取ってるみたいですよ。小牧さん、ひょっとして興味あります？

小牧　ちょっと(笑)。どうやったら資格が取れるのか調べといてや。

──承知しました(笑)。もうひとつ、お風呂絡みでこんな質問が。「今週の火曜日、信楽のゴルフ場の風呂で、父が小牧さんに似た人を見たそうです。行っていましたか？ 本当なら羨ましいし、スゴくモヤモヤしてます(笑)」という目撃情報です。

小牧　はい、それは僕です(笑)。調教師さんや記者さんとかと行ってました。そのときではないけど、最近、風呂でもよう声を掛けられるわ。でもさすがに風呂で声を掛けられるのは嫌やねぇ。「風呂で僕を見かけても、そっとしておいてください」って書いといてや(笑)。


──わかりました。きっと小牧さんは声を掛けやすいんでしょうね。

小牧　そうなんかなぁ。そういえば、ゴルフ場でもよう声を掛けられるわ。おっちゃんばっかりやから、さすがに「サインください」とは言われんけど、普通に「小牧さん、小牧さん」って呼ぶから、友達かと思って振り向くと全然知らん人みたいな(笑)。

──そういうとき、確か「違います」って言い張ると以前におっしゃってましたよね(笑)。

小牧　ゴルフ場ではさすがに言わんけど、駅とか電車のなかでは言うことはあるね。「違います」とひと言いえば、それ以上は絶対に話しかけてこうへんからね。相手の人は、「おかしいなぁ、絶対に小牧なんだけどなぁ」みたいな感じで、こっちを見ながらずーっと首をかしげとるけどね(笑)。