付け入る隙があるなら休み明けの今回か…と
GIとなった大阪杯は、キタサンブラックの完勝に終わった。有馬記念以来の実戦であり、付け入る隙があるとすれば休み明けの今回か…とも思っていたが、パドックでキタサンを見た瞬間、きっちりと仕上がっているのを感じた。
マルターズアポジーがまずまずのペースを演出したが、離れた2番手以降は平均ペース。キタサンは単独3番手を追走し、直線は早め先頭から悠々と押し切った。まさに盤石といえるレースぶりで、終わってみればいつも以上に隙がなかった。
▲“GI・大阪杯”の初代勝者となったキタサンブラック (C)netkeiba
▲主戦の武豊騎手と握手を交わす北島三郎オーナー (C)netkeiba
スローなら自ら行けるし、行く馬がいれば控えることもできる。これは競走馬として何よりの強味で、もう負けることはないんじゃないかと思わせるほどのパフォーマンスだったように思う。競走馬として高い能力を持っているのはもちろん、ペースに左右されない乗りやすさこそが、毎回崩れることなく好走できる最大の要因だろう。これは、あの馬の性質を見抜き、毎回力を発揮できるように馬を作ってきた関係者たちの尽力の賜物だ。
そこに実戦で加わるのが、豊さんの滑らかなエスコート。長手綱でゆったり走らせる豊さんのエスコートは、キタサンのようなストライドの大きな馬にはぴったりだ。馬の強さもさることながら、騎手と馬とのマッチングの見事さも改めて感じられた。
2着ステファノスの(川田)将雅も、キタサンの後ろを絶対に取りに行くという明確な意志を持った好騎乗。自分はその後ろ、結果的にモンドインテロ(内田博幸騎手騎乗)の位置を、可能であれば馬なりで取りたかった。
アンビシャスは、スタートこそ悪くなかったものの、自らスピードに乗っていくような気配はなく、結果的に後方の位置取りに。促がして主張することもできたが、これまでのレースぶりから、促したレースでは途中で必要以上にハミを取り、体力をロスして末を失う可能性があることがわかっていたので、アンビシャスのリズムに従って後方に構えることを選択した。