最高の調整をやってきたアドマイヤミヤビ
いよいよ今週は桜花賞。一番人気が予想されるソウルスターリングは美浦所属のため、中間を含めた追い切りの様子をライブで確認することはできません。ただ、1週前追い切りを調教VTRで見ることはできました。動きを見るかぎり、やっぱり万全なのかも知れませんね。前走時は追い切り本数が多くて、仕上がりはほぼ100%と判定していました。しかし調教内容をよく見ると、その中身は時計の遅いものが多かったので、ここに向けての良化の余地は十分。それが最終追い切りにも表れているようなら、やっぱり最上位評価になるでしょうか。
でも栗東所属馬にも魅力ある馬はいます。なかでもここで取り上げた5頭、いや2頭がソウルの逆転候補だというのが個人的な見解。最終的な印はウマい馬券になりますが、昨年の◎ジュエラーのような、しびれる結果を期待したいと思います。
【桜花賞/アドマイヤミヤビ】
クイーンカップから桜花賞直行は早くから決まっていたローテーション。友道康夫厩舎ではヴィルシーナがこのローテを選択して2着という結果ですが、負けた相手はジェンティルドンナ。決して間隔をあけたことが敗因ではないと思いますし、むしろ1/2馬身差なら、このローテだったからこそといってもよいくらいです。
ローテーションに余裕があるからこそ、しっかりリフレッシュし、きっちり追い切りを積むことができます。ここまで予定通りの内容で、最終追い切りは坂路で単走。4F53.3秒は自己ベストを更新する数字であり、2F25.2秒は過去の最終追い切りで最も速い数字。時計だけを見れば地味ですが、この馬としては過去で最も負荷をかけた最終追い切り。だからといって無理をしたわけではなく、馬も余裕十分。現状として、3歳女王に向かっていくための最高の調整をやってきたと思います。
アドマイヤミヤビは女王に向かっていくための最高の調整(4月4日撮影)
【桜花賞/リスグラシュー】
前走チューリップ賞に関しては「その後に目標となる大きなレースが2つあるところで、目一杯につくっていくことは難しい」と矢作芳人調教師。しかし今回に関しては「桜花賞が終われば、短期放牧に出すこともできるし、今回は目一杯にいく」とのこと。それを示すのが、1週前追い切りの4F50.8秒。時計だけでなく、武豊騎手が跨ったということもかなりの負荷になっているはず。
その分というわけではないでしょうが、最終追い切りは本当に終い重点。1F11.8秒はこれまでの最速。前走に比べて、それだけ終いがしっかりしてきたという判断をしてよいと思いますし、これで前走の0.4秒差をどこまで詰めることができるか。このあたりはどの位置からどこで仕掛けるかということとも関係してくるかも知れません。
【桜花賞/ミスエルテ】
朝日杯FSでは本命を打ちましたが、意外だったのは道中の位置取り。後ろに構えすぎて差し届かないシーンは想定していましたが、中団につけて、メンバー中4位の上がりで後ろに差されることは想定外。このレースが今後にどのような影響を与えるのだろうという気はしていました。
朝日杯FSの最終追い切りを思い出してほしいのですが、当時はダノンシーザーの後ろでしっかり我慢して、ラスト1F標識手前で追い抜いていく内容でした。それがこの中間は馬の後ろで我慢することができず、直線半ばでは併せた相手を突き放す内容。これを絶好の動きと見るのか、折り合いがついていないと判断するのか。私は朝日杯FSのレース内容からも後者と判断すべきだろうと考えています。
ミスエルテの中間の追い切りは折り合いがついていないと判断すべき(4月5日撮影)
【桜花賞/カラクレナイ】
先週のトレセンニュースでは田辺裕信騎手がコンタクトをとったことをお知らせしましたが、その走りは単走だったこともあり、少し集中力を欠いているように思いました。でもそんな走りだからこそ、マイルにも対応できる余裕があるような気がしています。ただ、これは単走だからという理由もあるでしょう。
これまで新馬戦以外はすべて最終追い切りを単走で行って結果を出しているので、今回も単走。いつもの乗り手ということもあり、しっかりと集中した中での走り。前走時の最終追い切りに比べると、少し6F時計が遅くなりましたが、だからといって心配することはないでしょう。状態に関しては、前走から急激に上向いたこともなければ、下降した印象もありません。マイルに距離が延びることで、伸びしろの幅があるかないか、でしょう。
カラクレナイの最終追い切りはしっかりと集中した中での走り(4月5日撮影)
【桜花賞/レーヌミノル】
いつもCWで併せ馬を行って、後ろから追走、最後は外から差す。これがこの馬の追い切りといった感じで、1週前追い切りもその内容。素晴らしい動きでしたが、これが自身の距離適性の幅を縮めているような気がしていました。
だからというわけではないのでしょうが、今回の最終追い切りはCWで単走。単走自体はクイーンCでも単走でしたが、今回は前に同厩舎の馬が1頭で走っているところを見ながらの走り。池添謙一騎手が跨っていましたが、前を追いかけるようなところもなく、スムーズな走り。時計もクイーンCよりも速く、負荷はしっかりかけられていると思います。あとはこの調整で距離対応できるかどうかでしょう。
レーヌミノルは負荷をかけた調整で距離対応できるかどうか(4月5日撮影)
◆次走要注意
・4/2 大阪杯【ミッキーロケット】(6人/7着)
出遅れは半馬身くらい。しかし、それまでに二度潜ろうとする仕草を見せ「ジョッキーもあそこでかなり気を使ったからね。レース前は先行してキタサンブラックを見ていくという作戦だったけど、それどころではなかったと思う。ゲートが悪かったのはうちの責任」と音無秀孝調教師。
次走は宝塚記念を予定していますが「放牧へ出す前にゲートを矯正する」とのこと。その効果があれば、今度こそ能力全開となるはずです。
[メモ登録用コメント] [宝塚記念]最終追い切り栗東坂路で2F24.9秒以下なら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・桜花賞【ジューヌエコール】
最終追い切りは坂路を1本キャンターで駆け上がった後にCWコースでの6F追い。ダノンキングダムとの併せ馬でしたが、意識的に前を抜くことがないような走り。前走時の中間ではCWで前にいる馬を抜きたがるところを見せていましたが、今回はそんなところは全くありません。
本質的には短距離向きだと思いますが、この追い切りが好結果につながる可能性は十分にあると思います。
ジューヌエコールはこの追い切りが好結果につながる可能性は十分にある(4月5日撮影)
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