◆結果を出すこともけっこうある「移動しちゃいました組」
今年のPOG取材は比較的天候に恵まれていたのだが、土壇場になって雨や雪に見舞われ、いくつかの撮影が延期になったり、最後は産地馬体検査の早来会場が「晴れときどき吹雪」というわけのわからない天候下で行われたりした。
撮影が順延になるとその間に内地へ移動してしまい、撮れずじまいというケースが出てくる。またそういう馬はなにしろ早くに移動しているので、POG期間内に結果を出すこともけっこうある。記憶しているところでは、オークス4着のアースライズも3年前にそんなパターンだった。
今年だと以下の3頭がNF早来の「移動しちゃいました組」。
母エカルラート(牝/父クロフネ・橋田・474キロ)は軽い走りでスピード感があり、夏競馬から楽しめそうという牧場評。イヤリングからの来場時に比べて幅も出たという話だった。
母クロノロジスト(牝/父ハービンジャー・萩原・442キロ)は父の産駒らしからぬ(といっては失礼だが)キレ味があると牧場での動きが評価されていた。順調なら6月東京開催でのデビューもありそう。
母バランセラ(牝/父キングカメハメハ・鹿戸・455キロ)はトビが大きく、乗り手の印象以上に時計が出るとのこと。このままピッチを上げていければ夏の新潟デビューが視野に入る。
写真は撮れているが早めに移動したのが母ウィーミスフランキー(牝/父ディープインパクト・池江・471キロ)。阪神デビューもありそうだし、牝馬の中ではドラフト上位で指名しなければ取れないようなタイプだろう。
さて、おなじみ赤本(POGの達人)も校了が目前に迫りつつある。今年の赤本は発売日がぐっと早まって4月28日。社会の要請に応じてカラーパドックへの馬体重掲載や巻末リストの頭数増(クラブ馬リストを統合して、重複収録を無くした)を行う一方で、赤本らしい硬派な特集も収録。特に3年連続となる獣医系特集では、2歳馬に限らず今後の競馬界でホットなテーマになりそうなものを取り扱っている。ぜひご一読を。