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気になるアドミラブル、アルアインの状態は…… 日本ダービー最終追い切りチェック!

  • 2017年05月24日(水) 18時00分


動きに派手さはないが、しっかりと動けているアルアイン

 
 いよいよ、日本ダービー。この週明け、個人的に注目していたのは、netkeiba.comの予想単勝オッズ。先週、東京競馬場へ向かう京王線の車内で競馬ファンの会話を聞いていると、アドミラブルが単勝2倍台の人気になりそうな雰囲気でした。しかし、24日11時時点では3.3倍。皐月賞馬をはじめ、レイデオロやスワーヴリチャードがいるわけですから、やっぱりこのくらいのオッズに収まりますよね。ただ1番人気になるのは間違いないでしょう。

 ちなみに過去10年で皐月賞組ではなかった1番人気はNHKマイルCを勝ったディープスカイと京都新聞杯を勝ったキズナ。ちなみに皐月賞組の1番人気は[2-1-2-3]と単勝率25%ですから、1番人気の信頼度としては他路線が断然。青葉賞うんぬんが言われるアドミラブルですが、要はデータって何を信じるか、それに尽きると思います。

【日本ダービー/アドミラブル】

 青葉賞はウマい馬券で本命。中3週で2本の追い切りしかなく、例年の青葉賞なら無印にするような調教内容ですが、それでも本命に推した理由は当時の予想コラムでも書きました。要約すると、それでも勝てる能力があるし、日本ダービーを勝つためには余裕をたっぷりと残した状態で出走すること。それであの強い競馬ですから、本当に素晴らしい能力を持った馬だと思います。

 この中間は逆に追い切り本数を強化。ただ、時計的にはあまり速いところをやらず、最終追い切りにしっかりという内容。23日に音無秀孝調教師と話していて、栗東坂路4F目12.5秒くらいでまとめるだろうと思っていたら、まさにその通りの数字。併せた相手レコンダイトを置き去りにした伸びは道中しっかりと脚をためて走れているからこそ。本番でもこの走りができれば、きっと結果を出してくれると思います。

アドミラブル(5月23日撮影)

最終追い切りにしっかりという調教内容だったアドミラブル(5月23日撮影)


【日本ダービー/アルアイン】

 毎日杯が休み明けで追い切り本数が少なく、それでも結果を残しました。それだけに普通の調教内容だった皐月賞は大きな上積みがあるだろうと思いましたが、まさにその通りの結果。よって、ここに向けてもまだ上積みがある、そんな印象を受けますし、だからこそ中間に放牧へ出ていないような気がします。

 1週前にCWで長めから時計を出し、ステイインシアトルとの併せ馬ではきっちり先着。24日の最終追い切りは毎日杯の最終追いと同じく4FからのCW追い切りでした。動きに派手さはありませんが、それなりにしっかりと動けている印象。本質的な距離適性については掴めませんが、追い切りを見るかぎり、2400mで折り合いを欠くタイプに思えません。しかし、内々でじっとためる競馬ができるかどうか。そこはポイントになると思います。

アルアイン(5月24日撮影)

併せ馬ではきっちり先着したアルアイン(写真手前・5月24日撮影)


【日本ダービー/ペルシアンナイト】

 皐月賞はウマい馬券で本命を打たせてもらった馬。スタートが遅めながら、向正面の進路があるところで前に上がっていき、素晴らしい騎乗を見せてくれたと思います。それに応えた馬の能力はもちろんですが、ペルシアンナイトのポテンシャルを信じた、M.デムーロ騎手の騎乗がなければ、あの2着はなかったように思います。

 池江泰寿厩舎の中では最も距離に心配があると思います。それは追い切りでも見せる前向きな気性。しかし、1週前追い切りでは水口優也騎手が上手にエスコートして、終いが爆発的な伸びを見せましたし、最終追い切りでも折り合っているように見えました。ただ、レースは初めての騎乗となる戸崎圭太騎手。実績があるジョッキーであることは当然分かっていますが、大歓声が上がるスタンド前発走で初めてのコンタクトとなれば、必然的な相性の良さも必要な気がします。それがあるかどうかは、レース当日の返し馬あたりでなければ分かりませんし、爆発力はあっても、それを点火させることができるか。その保証は現時点ではありません。

ペルシアンナイト(5月24日撮影)

最終追い切りでも折り合っているように見えたペルシアンナイト(写真右・5月24日撮影)


【日本ダービー/ダンビュライト】

 今週になって、音無秀孝調教師のトーンが上がってきました。というのも「血統的なことを考えたら、距離が延びるのはいいんじゃないか」とのこと。確かに追い切りでもスパッと切れるというよりも、じりじり伸びるタイプですから、そうなのかも知れません。

 最終追い切りもアメリカズカップが相手でしたが、特筆するほどの動きではありません。すんなりと好位置でレースできればという気もしますが、個人的には左回りのサウジアラビアRCで内にささったことが気になります。もしまたそんなことになれば、思っていたほど走れないなんて可能性もあります。久しぶりの東京なので、いつも以上に入れ込んでしまうことも想定しておかなければいけないでしょう。

ダンビュライト(5月23日撮影)

特筆するほどの動きではなかったダンビュライト(写真手前・5月23日撮影)


【日本ダービー/カデナ】

 皐月賞についてはいろんな見方があると思いますが、個人的には坂路単一調教馬としては、よく好走した部類。そんな捉え方をしています。それだけに、坂路単一調教でも巻き返すことができる日本ダービーに向けては、皐月賞組で最も逆襲できる馬だと思っていました。

 思っていました、と過去形なのは、最終追い切りがCWだったから。1週前追い切りもCWでしたが、それに引き続いた形です。動き自体はもちろん素晴らしいものだったと思いますが、この馬がレースで良い結果を残した時の最終追い切りは栗東坂路。そのパターンが変わることを高く評価することはできません。それは自身の好走パターンと日本ダービーで栗東坂路が好結果を残していることに尽きます。

カデナ(5月23日撮影)

最終追い切りがCWだったカデナ(写真右・5月23日撮影)


◆次走要注意

・5/21 オークス【アドマイヤミヤビ】(2人/3着)

 個人的には絶好調から比較すると7分程度の状態だったと予想していました。それでも出走メンバー最速の上がりを使って3着。とはいっても勝ち馬から0.7秒離されており、6着とは0.2秒差。やっぱり状態面が今ひとつだった結果でしょう。

 本来の調子に戻れば、もっとやれると思いますし、あんな後方からのレースにはならないはず。秋華賞に向けてきっちり立て直してくれば。

[メモ登録用コメント] [秋華賞]最終追い切り栗東坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・京都ハイジャンプ【マドリードカフェ】
 障害は2戦2勝。競馬場は福島と新潟ですが、厩舎サイドとジョッキーは本場の障害が本馬本領発揮の舞台と考えています。最終追い切りは最後だけ気合をつけた程度で6F78.0秒。折り合いを欠くこともなく、一旦乗ったスピードが落ちることもないだけに、ここは3連勝を決めてほしいところ。

マドリードカフェ(5月24日撮影)

ここは3連勝を決めてほしいマドリードカフェ(5月24日撮影)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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