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『エンパイアメーカー産駒のことでお願いが…』読者からの切実な訴え!?

  • 2017年06月13日(火) 18時01分
小牧太

今回の『太論』では「小牧さんが感じる道悪巧者の特徴とは?」などユーザーからの質問にどんどん答えていきます!


今回はレースにまつわる質問特集。下鴨Sで2着に食い込んだスズカルパンについて、「難しそうな馬ですが好走の要因は?」という質問から、「エンパイアメーカー産駒が得意な小牧騎手にお願いが…」という変化球な内容にまで、小牧騎手が真っ向勝負でお答えします!
(取材・文/不破由妃子)


僕には気性の難しい馬が合うのかも

──まずは5月21日、京都11R・下鴨S2着のスズカルパンについての質問です。「ずっとスズカルパンを応援しています。下鴨Sは久々に興奮しました。ありがとうございました。いつも難しそうな馬だなぁと思って見ているのでぜひお聞きしたいのですが、下鴨Sの好走の要因はなんだったのでしょうか?」(次走グリーンSは、和田騎手騎乗で4着)。

小牧 あれは惜しかったなぁ。理想の内枠やったし、あそこまできたら勝っとかなアカンね。能力はあるけど、難しい馬やねん。それが善戦マンたる所以というか。

──確かに、あれだけのキャリアがありながら、1秒以上負けることがほとんどない馬ですからね。とはいえ、連対したのは約1年ぶりでした。

小牧 先頭に立つか立たないかというところまでくると、耳を絞るからね。そういう難しいところがあるから。だから僕に合うんでしょう。あと、改めて思ったけど、距離は2000mがベストやね。

──ご自身で「自分に合う」と思うのは、どういった部分で?

小牧 やっぱり気性の難しさかな。だから、内でせこく乗るような乗り方が合うわけで。王道のレースではちょっと難しくて、やっぱりひと工夫、ふた工夫必要やな。ああいう馬は、早めに動いたり、勝ちを急ぐような競馬をしたら、持ち味が生きんからね。好走の要因を挙げるとするなら、なるべくコースロスなく、それでいて慌てずに…という競馬かな。

──続いては、本来なら小牧さんにお伝えするのもちょっと違うかな…と思うのですが、熱心なユーザーの方がどうしてもということで。「エンパイアメーカー産駒との相性の良さを語っていらっしゃいましたが、橋口慎介厩舎のエンパイア産駒であるミカエルシチーを何とかしていただけないでしょうか」という…。

小牧 そりゃあ、乗せてもらえればね(苦笑)。乗せてもらえるなら、あの馬は乗りたいんやけど。それは僕が決められることじゃないから。

──おっしゃる通りです。初戦の芝1400mは小牧さんでしたよね。

小牧 そうそう。

──続きがありまして、「調教の内容から見て、もっと上のクラスまでいける器だと思えて仕方がありません。コラムの内容にはそぐわない質問になってしまい申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いします」ということなんですが。

小牧 どうしようもできん(苦笑)。ただ、確かにいい馬で、追い切りでもすごく動くからね。現実的に、これまでもいい競馬をしてますやん。ただ、ちょっと硬さがある馬でね。たぶんやけど、いまだにパンとしていない状態で、これだけの成績を出しているんやと思う。能力は間違いなく高いからね。パンとしてくれば、もっとやれると思うんやけど。

──レースで騎乗されたのは初戦だけですが、追い切りには何度か騎乗されていましたものね。

小牧 うん、調教は何度か乗ってます。それもだいぶ前やけどね。当時からこれは走るなと思ってたよ。ただ、何とかしてくれと言われても…。今日の答えで勘弁してください(苦笑)。

──すみません、ありがとうございます。続いての質問は、「ダノンメジャーが都大路Sを快勝しましたが、小牧さんが感じる道悪巧者の特徴とは?騎乗して感じることのほか、蹄の形など見た目の特徴があれば教えてください」というものです。梅雨の時期ですから、ファンは知りたいでしょうね。

小牧 雨馬場はやっぱりドッシリした馬のほうがいいでしょう。僕はそう思うよ。牝馬で小柄な馬とか、非力なタイプは向いてないと思うしね。跳びが大きくてキレイな馬も向いてない。どうしてもバランスが崩れやすいんでね。でも、そのあたりは、ファンの皆さんもようわかってるんじゃない?

──ダノンメジャーも、割と跳びが大きいほうですよね。

小牧 ん〜、確かにピッチ走法ではないけど、ダートでも走りそうな力強いフットワークではあるよ。蹄の形とかは、あんまり意識したことがないね。なんでかっていったら、返し馬の走りで「これは道悪でもやれそうやな」と感じても、いざ走らせてみたら全然ダメな馬もいるから。精神的に嫌気がさしてしまう馬もいるしね。蹄の形も大事なんやろうけど、結局、「道悪は上手そうやな」という予測はできても、本当にこなせるかどうかは走らせてみないとわからんからね。

小牧太

本当にこなせるかどうかは走らせてみないとわからんからね

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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