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最終追い切りでしっかり負荷をかけユニコーンSを狙ってきた馬とは…

  • 2017年06月14日(水) 18時00分


これまでの坂路追い切りよりも動いた印象のサヴィ


 すでにトレセンニュースで確認していただいた方も多いと思いますが、帝王賞連覇を目指していたコパノリッキーが出走を取り止めました。この件について、今朝の調教時間中に村山明調教師から「netkeibaさんでニュースとして流しておいてください」と携帯電話に連絡をいただきました。

 本来なら心痛なところだと思いますが、それをわざわざ連絡していただいたことに関して本当に感謝しております。また、オーナーであるDr.コパ様、村山明調教師に対して、この場を借りて御礼申し上げたいと思います。

 個人的な意見ですが、先週の段階で、素軽い動きを見せていただけに、やっぱり残念の一言に尽きます。でもコパノリッキーに限らず、競走馬っていうのは無事にゲートインし、ゴールすることがいかに大切かということ。「まずは無事に」という言葉は、本来ギャンブルとして施行される競馬には矛盾する言葉に思えますが、馬に携わる人にとっては、本心であることは間違いないですよね。

 だからこそ、来週の宝塚記念もまずは出走予定馬がみな無事にゲートインすること。その上で、レースが盛り上がることを楽しみにしたいと思います。

【ユニコーンS/サンライズソア】

 前走がダート2戦目でしたが、先行して2着に1馬身1/4の差をつける完勝。今回と同じ東京ダート1600mの舞台で結果を残したことは大きなアドバンテージになりそうです。今回は中4週のレース間隔なので、どのような調教内容を施してくるかと思いましたが、あまり速い時計を出さず、1週前のCWコースでしっかりやるといった感じ。

 最終追い切りは栗東坂路でオーマイガイとの併せ馬。追走する内容でしたが、その動きには余裕があり、最後もきっちり先着。時計は4F51.5秒で自己ベストを更新。前走時と最終追い切り場所が違っていますが、500万下を勝ち上がった時が栗東坂路での最終追い切りだったので、特に問題ないでしょう。むしろしっかりと負荷をかけて、重賞獲りを狙ってきた印象です。

サンライズソア(6月13日撮影)

しっかりと負荷をかけて、重賞を獲りに来たサンライズソア(6月13日撮影)


【ユニコーンS/サンライズノヴァ】

 前走から中3週。それを思えば、1週前追い切りとなった6月7日の坂路4F57.9秒が物足りないように思えますが、音無秀孝調教師いわく「パートナーのシエラネバダはもっとやるつもりだったけど、こちらは競馬を使ってきているし、このくらいでもいいと思った」とのこと。ただ、最終追い切りは「しっかりやる」とのことで、宝塚記念の1週前追い切りとなったミッキーロケットとの併せ馬。

 その内容は相手が追いかけてきて、最後まで追い抜かせない内容。最後の1F標識を過ぎたところで先着するかと思いましたが、さすがに相手も動く馬。同入でしたが、時計の速さ、4F目が最速になるラップを見ても、文句なしの最終追い切り。ユニコーンSは抽選対象ですが、1000万下の自己条件に回って、古馬との対決になっても魅力十分の状態にあります。

サンライズノヴァ(6月13日撮影)

文句なしの最終追い切りだったサンライズノヴァ(6月13日撮影)


【ユニコーンS/サヴィ】

 デビューから2連勝。京都ダート1400mでのパフォーマンスだけに、距離延長と左回りに対応できるか否かがポイントになりそうです。キャリア2戦ですが、先行しても差しても結果を出したところや速い時計にも対応したところは競走馬としてのセンスの高さを感じさせます。

 最終追い切りは過去にない栗東坂路でのパターン。4F目が最速になるラップを踏んだあたり、これまでの坂路追い切りよりも動いた印象を受けます。個人的には体型や走りを見ても、マイルに距離が長くなることに対してパフォーマンスを落とす可能性もあると考えています。あとは同世代相手だったらどこまでこなせるか。そのあたりの判断になりそうな気がします。

サヴィ(6月13日撮影)

サヴィはこれまでの追い切りより動いた印象(6月13日撮影)


【米子S/ダノンメジャー】

 前走都大路Sは自分のリズムでレースして、後続を完封。ワンターンの1600m、1800mがベストパフォーマンスというところをあらためて見せてくれました。この中間も入念に追い切りを積んでおり、元気いっぱいといった感じ。そして最終追い切りはCWコースで単走と、前走と同じパターンだった。

 2回目のハローが終了した時間帯だったが、その動きは本当に素晴らしい。途中からラップを速めていく形で、時計は6F81.6〜5F65.7〜4F51.4〜3F37.9〜1F11.6秒。走りやすい時間帯だったとはいえ、終いの鋭い伸びは見ていて気持ちよくなるくらい。今回も自分のリズムで競馬ができれば、後続完封の可能性は十分でしょう。

【米子S/ブラックムーン】

 個人的に東京新聞杯は負けるべくして負けた印象だが、そこから間隔をあけた今回。休み明けは西宮S1着の実績があるように、苦にするタイプではありません。だからといっても、調子が悪ければ追い切りが良く見えるわけがなく、この中間の見映えからすれば、状態はかなりいいところにありそうです。

 それは1週前追い切りの段階で感じていましたが、確信したのは最終追い切り。メイショウブーケを追走する内容でしたが、最後は突放しての先着。時計も6F79.8〜5F66.0〜4F51.5〜3F37.5〜1F12.3秒と速く、状態に関してはほぼ万全。これでこのメンバー相手に勝ち負けしなければ、秋の飛躍はないと思います。

ブラックムーン(6月14日撮影)

ブラックムーンは状態はかなりいいところにありそう(写真右・6月14日撮影)


◆次走要注意

・6/10 2歳新馬【スカーレットカラー】(3人/2着)

 結果的に逃げ切られましたが、外を回って見せた脚力はなかなか。直線坂のあるコースでも結果を出しているだけに、次走はもちろん、オープンでも十分やっていけそうな魅力がある1頭です。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【ジュンハーツ】
 前走7着の未勝利馬ですが、この中間の追い切りを見ていると、すでに勝ち上がっているくらいの雰囲気を見せる走り。ロイヤルパンプ相手に楽に追いついて、楽に同入。いつ勝っても不思議ではありません。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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