開催4日間の騎乗停止処分が明けた7月8日。中京メインの豊明Sで、9番人気コウエイタケルを2着に導いたものの、決勝線手前で内側に斜行。3番ショウナンライズ号(6着)の進路が狭くなったとして、再び騎乗停止処分を受けた小牧騎手。短期間に不注意騎乗を繰り返したとして、16日間(開催6日間)の騎乗停止という重い裁決が下りました。この由々しき事態に、ベテランも大反省。急きょの電話取材にて、現在の心境を明かしてくれました。
(取材・文/不破由妃子)

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心身ともに鍛え直しますわ

──この度、立て続けの騎乗停止となりましたが…。

小牧　信頼してくれた関係者、応援してくれたファンには、本当に申し訳ないことをしてしまった。ベテランやのに、気持ちのコントロールができんくて…。ちょっと思うところもあって、この間に福岡の朝倉に行こうと思ってます。

──朝倉といえば、この度の九州豪雨の被災地ですよね？

小牧　うん…、ボランティアにね。実は今(月曜日午後)、新幹線で向かってるところやねん。

──あ、今まさに向かわれているんですね。

小牧　そうそう。なんかね、テレビを観ていたら、そんな気持ちになって、ボランティアに詳しい友達にさっそくいろいろと教えてもらって。今までボランティアに行った経験もないし、こういうときじゃないと行けないからね。お手伝いをしつつ、自分を見つめ直してきますわ。

※小牧太騎手はこのインタビュー後、14日までの5日間、福岡県朝倉市でボランティア活動に参加しました。
　小牧騎手が豪雨被害のボランティア「たくさんの人の助けが必要です」

──では、しばらくは福岡に？

小牧　いや、期間は決めてないねん。現地の状況もそうやけど、僕に何ができるのかも今はわからんから。とりあえず、動きやすい服を鞄にいっぱい詰めてきましたわ。あと、できれば千葉の牧場にも手伝いに行こうと思ってる。

──千葉の牧場というと、ご長男の加矢太さんが働いていらっしゃるところですか？

小牧　うん。牧場からも是非にと言ってもらっているし、初心に帰るために、朝から働いてみるのもいいかなって。なんせ1カ月近く休むわけやから、体が衰えんようにせなアカンからね。この時間を無駄にすることなく、心身ともに鍛え直しますわ。

──ボランティアといい、牧場の手伝いといい、今回はさすがに期すところが…。

小牧　もちろんです。誰もケガさせんかったことが、唯一の救いというか…。一時に比べると、“自分の騎乗”はできていると思うんやけど、どうも最近の僕は、「勝ちたい」という気持ちが強すぎる。


──勝負師として、大事な気持ちではありますけどね。

小牧　うん。年齢を重ねるごとに、そういう気持ちが衰えてしまったら嫌やなぁと思って乗ってきたけど、最近はそれが全面に出てしまっていたので…。ただ、「負けたくない」という気持ちは大事やから、今後もそういう強い気持ちを持ちつつ、上手くコントロールしていかなアカンね。

──そうですね。それでこそベテランですから。

小牧　ホンマやね。本当に反省しています。心身ともに鍛え直すつもりでこの期間を過ごそうと思っているので、復帰した際は、また応援してください。

※小牧騎手ご自身の希望により、騎乗停止期間中の「太論」は休載とさせていただきます。復帰週となる8月1日(火)より再開する予定です。いつも楽しみにしてくださっている読者の皆様には大変申し訳ありませんが、何卒ご了承いただけますと幸いです。今後とも『太論』をよろしくお願い致します。