◆調教駆けタイプらしい軽快な動き 4歳から9歳のベテランまで多彩な経歴を持つ馬がそろったが、3歳以上の古馬扱いになってから1600万条件を勝ち、オープンに在籍した実績をもつ馬の見当たらない組み合わせになった。
そんな中で、4歳
ウインムート(父ロージズインメイ)だけは今年2月に1600万特別を勝ち、しばらくオープンクラスだった。
だが、そんな理由では狙いが立たない。4歳馬ウインムートは、現10歳で今年も出走し、ダートの交流レースを中心に好走しているドリームバレンチノ(通算12勝)の全弟である。
ダート戦出走は今回が初めてになるが、全兄ドリームバレンチノも6歳秋まで芝専門で9勝したバリバリのオープン馬。芝通算【9-4-4-13】。函館スプリントS、シルクロードSを勝ち、スプリンターズS3着、高松宮記念ではロードカナロア(現在、新種牡馬として人気沸騰中)の小差2着まであった。
それが6歳秋になって、突然、ダートに方向転換すると、いきなりG1格のJBCスプリントを2着、G3格の兵庫ゴールドT1着。7歳時にはG1格のJBCスプリントを勝つなど、ダート通算【3-7-1-11】。現在でも侮りがたいダート界のトップホースである。血統背景通りのダート巧者だった。
ウインムートは、ここまで芝【4-2-0-11】。兄には及ばないが、芝の1600万を勝った記録をもつ元オープン馬である。ダートの実戦は未経験だが、札幌遠征時は調教コースがダートだけ。追い切りでは好タイムで動いている。
たまたまではあるが、ダートで追い切った札幌の3戦は、芝の実戦【3-0-0-0】であり、気分よく全勝である。今回はダート戦に出走なので1週前に栗東のダートに入れ、ゲートから調教駆けタイプらしい軽快な動きをみせた。
幸い、1400mにしては快速の先行型は見当たらない組み合わせ。さらに、中京のダート1400mはここまでの17戦と同じ芝からのスタートである。
もちろん初ダートだから凡走の危険はあるが、松岡騎手は展開を読んで一気の先行策などお手のもの。昨年のこの時期は16勝。一昨年のこの時期も15勝。ちょっとさえていない期間があったが、今年はすでに25勝し、本来の元気いっぱいの松岡正海騎手に戻っている。単騎の逃げ切りもある。