今回は競走馬の砂浴びの現場に密着!
夏休み! 幼い頃、砂場に行くとなぜかワクワクした。それは馬も同じようで、砂浴び場と言われる場所に連れて行くと、ゴロンと寝転んだりはしゃぐ馬もいるという。リラックス効果が期待される砂浴びだが、人によってはちょっと変わったタイミングで取り入れたりもするようだ。今回は加用正厩舎の前田功士厩務員に同行して砂浴びの現場を見せてもらった。(取材・文・写真:大恵陽子)
どの馬も砂浴びが大好きってわけではない?
「砂浴び」は字のごとく馬が砂を浴びるように寝転がったり動き回ったりすること。栗東トレセン内には5カ所の砂浴び場があり、概ね円形の屋根付きの空間に砂がたっぷりと敷き詰められている。
朝の調教時間帯、トレセン内を歩いていると担当馬を砂浴び場に連れて行く前田厩務員の姿を見かけることが幾度となくあった。砂浴び場を利用する馬はそれほど多くはないが、なぜ前田厩務員は足繫く通っているのだろうか。
「担当馬のココが砂浴びがすごく好きなんです。私はトレセンに入って14年目で、ココを担当するまでは砂浴び場を利用したことはなかったんですが、調教後に鞍を外すと馬房でよく寝転ぶ馬だったので、連れて行ってみたんです。そうしたらすごく寝転がっていい感じだったので、運動だけで汗をあまりかかない木曜日以外はほとんど行くようになりました」
馬は非常に汗をかく動物で、レースの時には約10Lの汗をかくという話もある。調教でも鞍をつければ背中は蒸れて痒くなるだろう。
「ココは砂浴びに連れて行かないと